仙台市民オンブズマンは、仙台市議会における平成20年度分の政務調査費、平成23年4月から8月分の政務調査費、同年9月から平成24年3月分の政務調査費、平成24年度分の政務調査費について、その一部が「市議会議員としての市政に関する調査研究活動に資するため必要な経費」にあたらない違法な支出であるとして、仙台市長に対し会派ないし議員に対して不当利得返還請求をすることを求める住民訴訟を提起してきました。
そして平成20年度分については仙台高等裁判所平成28年6月22日判決、平成23年4月から8月分については仙台高等裁判所平成30年10月24日判決、同年9月から平成24年3月分については仙台高等裁判所平成30年2月8日判決、平成24年度分については仙台高等裁判所令和4年12月21日判決がなされ、それぞれ確定しました。
上記4判決を通じ、仙台市議会における政務活動費の支出のあり方に関する司法の判断はほぼ固まったと考えられることから、令和6年1月26日、以下の3点について、運用を是正するよう求める意見書を仙台市議会に提出しました。
① 広報広聴費については、政務活動費による支出の按分の割合は2分の1 を上限とすること
② 会派控室における人件費、事務費、資料作成費については、政務活動費による支出の按分の割合は2分の1を上限とすることを原則とすること
③ 会派の人件費の支出にあたっては、職員雇用費交付規則に基づく職員雇 用費から賄われる部分以外の人件費について、政務活動費を2分の1に按分して支出するよう運用すること
また、昨年9月21日、22日に仙台において開催されました第30回全国市民オンブズマン大会における調査検討結果を踏まえて、「政務活動費取扱いの手引書」の速やかに改正すべき点が明らかになりましたので、以下の点を意見書に加えました。
④ 帳簿書類を仙台市議会のホームページにおいて公開の対象にすること
意見の詳細な内容、理由については、意見書をご参照ください。
なお仙台市民オンブズマンが提出した意見書を踏まえ、仙台市議会では6月議会で検討委員会が設けられ、政務活動費の運用改正について議論がなされることとなりました。
https://www.gikai.city.sendai.jp/publicity/topics/seimukatsudouhi.html
仙台市民オンブズマンでは、司法の判断や他市の議会の優れた運用を踏まえた運用改正がなされるかどうか、検討委員会の議事内容を注視してまります。市民の皆さまもぜひ検討委員会に関心をもち、議事内容に注目していただければと思います。
【意見書本文】