仙台市の地下鉄南北線に関する訴訟をご存知でしょうか。
東西線がランニングコストさえ出てこない赤字路線になることは、オンブズマンのみならず心ある行政関係者には明らかな未来像なのですが、現在走行している地下鉄南北線(泉中央-富沢)も、設備投資のための借金の返済ができるだけの収入が得られないため、毎年市税から補助金を出している現状なのです。法律は、地方自治体が企業経営をするというのであれば、住民の税金で企業経営の失敗を穴埋めすることがないよう、地方公営企業について市税からの補助金の支出を原則的に禁じています。ところが、南北線ではこれまで毎年のように補助金を出しており、その金額は約700億円に達しているのです。南北線の訴訟は、このように法律違反を繰り返ている行政実務に対し、法律どおりの行政を行うことを求め、平成17年度と18年度に支出した約25億円の市税の返還を求めたのです。
仙台地裁と仙台高裁(平成20年10月31日)は,いずれもこれを違法ではないと判断し,オンブズマンの請求を却けました。行政が法律に違反する行為をすることを裁判所がきちんと阻止できておらず、裁判所の真価が問われる大問題です。
高裁判決はこちらです。
高裁判決081031.pdf
オンブズマンはこれを不服として上告しております。