1 本日13時10分、法廷にて判決主文が読み上げられました。
「主文。被告は、被告補助参加人新日本有限責任監査法人及びA(監査担当の公認会計士)に対し、連帯して、7億7908万1788円及び(略)年5分の割合による金員の支払いをするよう請求せよ」
原告側の主張を全面的に認めた完全勝訴判決。そして大変常識的かつ合理的な判決でした。以下、簡単に判決内容をご紹介いたします。
2 今回の判決のポイントは2つです。
1つは、大学設置認可に際して財産目録の監査を担当した監査人には重大な責任があることを明らかにしたことです。
本件では監査人が①直接金融機関に対し残高確認を依頼しなかった点、②スクールバス2台につき自動車登録(車検証)の名義確認を怠った点が過失と認定されました。
そして仮に上記①②が果たされていれば、東北文化学園大学が設置認可され、仙台市から補助金が支出されることはありませんでした。これが2つ目のポイントです。
監査人A及び監査法人は、上記「因果関係」について、監査人Aは仙台市から補助金が支出される具体的に予見していなかったと主張していました。しかし、判決では何らかの補助金が支出されることは予見出来ていたはずだと認定され、そのような主張は通りませんでした。
従って、仙台市が東北文化学園大に支出した約8億円の補助金のうちすでに被害弁償されている分を除いた約7億8000万円につき請求が認容されました。
3 仙台市へ求めること
最も重要なことは、今回の判決が私たち仙台市民にとっても大変有利な内容のものだということです。ご存じの通り仙台市も他の自治体同様財政難に見舞われておりますが、本判決に基づき仙台市に数億円の被害が回復されれば、市政や私たちの生活にもよい影響が期待されます。
従って、仙台市は、私たち市民のために控訴を断念し、速やかに被害回復(監査法人らへの請求)を図るべきではないでしょうか。監査法人らには相応の支払い能力があるはずです。仙台市が賢明な決断をされることを期待します。
オンブズマンのコメント→
判決コメント.pdf
みうら