8月29日,30日,岡山大学構内で開催されている標記全国大会に来ています。
今日は片山善博氏(慶応大学教授 前鳥取県知事)の記念講演がありました。「末期的な地方財政から真の地方分権を考える」と題した講演でしたが,なかなか聞き応えがあり,いい刺激となりました。
地方財政を危機的状態にした責任が議会と国にあることを丁寧に説明されました。議会が執行部提案をほぼ100%承認してきたことは,ノーチェックに等しいことはそのとおりでしょう。
印象的だったのは,国が法律で地方の政策を巧妙にコントロールし,手かせ足かせをはめているとの指摘です。たとえば,固定資産税や住民税を一定レベルより下げようとすると,国は地方にさまざまなペナルティを課す仕組みを作っていて,地方独自の減税はほぼ不可能だそうです。また,地方が借金してハコモノを造れば,後々地方交付税交付金が増額されるなどのアメを用意して,国は地方の政策を巧妙にコントロールしてきたそうです。
オンブズマン活動に対しては,「税金の使い方をチェックして成果を上げても,地方税が減税になりましたか?なってないでしょう!おかしいと思いませんか?」との激励もいただきました。
地方自治体の財政をチェックすることを通して,国の財政や政策にも切り込んでいく必要性を示唆する意義深い講演となりました。
明日は各地報告で,仙台市民オンブズマンは国の直轄事業負担金訴訟を報告します。この問題も,地方自治体の財政をチェックすることを通して,国の財政や政策にも切り込んでいく場面かと思います。
そごう