-日本のトラック野郎もビックリ-
これも車の話であるが、パキスタンに来て最初に驚いたのは、派手派手に装飾されたトラックやバスである。
現地ガイドは、デコレーション・トラックとかデコレーション・バスとか言っていて、車の前後左右にわたり、極彩色の絵や図柄で装飾されているのである。
同様にトラクタ-やリキシャも結構派手に飾られている。しかも、ほとんど例外なしにである。これはカルチャーショックといってもいい。
現地ガイドに聞いてみたらこうであった。
60~70年前までは人や物の運搬手段はラクダやロバであったが、商売繁盛のお守りの意味でそれらを派手に着飾るという習慣があった。日本で言えば、チャグチャグ馬ごっこのような飾り付けであろうか。
その習慣が、運搬手段が動物から車に変わっても残り、また競争心理も働きますます派手になり今に続いているとのことであった。
それに費やす費用もハンパではない。車の値段の20%から25%は懸けるという。
飾り業者の方も忙しいらしく、新車を買う2~4ヶ月前には予約を取っておかないと間に合わないと言うことであった。
日本でも一頃、トラック野郎が「男度胸の街道稼業」みたいなスローガンを書いた派手な車を走らせていたことはあったが、パキスタンのと比べたら月とスッポンくらいの差があり、「日本のトラック野郎も真っ青」といった感じだ。
高い金を懸けた愛車だけに手入れも入念で、毎日綺麗に洗っているということであった。たしかに、トラック野郎が良く利用するというドライブインでは、車を水洗いしているところをよく見た。
ついでながら、彼らは口が肥えているということで、確かに彼らがよく利用するドライブインのレストランの料理は美味かった。