仙台市民オンブズマン|市民による行政の監視役
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  • 第25回全国市民オンブズマン新潟大会の報告
  • 第25回全国市民オンブズマン新潟大会の報告

    平成30年9月1日,2日,第25回全国市民オンブズマン新潟大会が開催されました。今回,仙台市民オンブズマンからは合計8名のメンバーが参加しました。

    1 地下鉄東西線問題の報告

    1日目は,公共交通機関のあり方と入札・談合問題を主要テーマに各種報告が行われました。仙台からは,小野寺信一弁護士より,地下鉄東西線問題について報告させていただきました。

    地下鉄東西線の事業認可申請当時,仙台市は地下鉄東西線の需要予測を1日あたり11万9000人と推定していました(仙台市民オンブズマンは多くて1日あたり6万人程度と推定していました)。ところが,実際に開業すると,1日あたりの地下鉄東西線の利用者数は1日あたり約5万4000人に留まり,需要予測の誤りが明らかになりました(詳細は地下鉄東西線訴訟関係のHP記事をご参照ください)。需要予測の誤りに基づく地下鉄東西線の建設により,仙台市は多額の借金を抱える状況になりました。

    小野寺信一弁護士は,需要予測の誤りが発生する原因について,①予測が外れても責任を取る必要がないこと②予測が外れた原因を究明し,次につなげる仕組みがないこと③作ること自体が目的となり,作った後のことは考えないことの3点を指摘し,需要予測の誤りについて責任を取るものがいない現状をかえる必要があると訴えました。

    2 入札談合問題

    全国市民オンブズマン連絡会議事務局長の新海聡氏より,入札,談合問題について報告いただきました。

    入札手続における各都道府県の平成29年度平均落札率は92.6%であり,前年度の91.7%から上昇していることが明らかになりました。近年は総合評価方式を採用する自治体も増えていますが,大阪府等の自治体からの資料に基づくと,落札率と工事の質との間に相関関係はなく,総合評価方式が機能していないことが明らかになりました。また,新海氏からは,総合評価方式は癒着の温床になるのではないかとの指摘がありました。

    また,一者入札(入札手続に1者しか入札せず,実質的に入札となっていない状況)が多くなっているという現状の報告がありました。特に,宮城県は,一般入札に占める1者入札の割合が34.4%(仙台市は36.0%)と高い現状にあるとのことでした。新海氏は,一者入札は無効とするべきである,また,総合評価方式を見直しを必要するべきであるとの提言がありました。

    3 個人情報公開訴訟の報告(各地報告)

    仙台の坂野智憲弁護士より,宮城県議会議員の政務調査費領収書情報公開訴訟の報告がありました。訴訟一審では敗訴したものの,一審判決では,オンブズマンが開示を求めている情報は,公開する必要性の高い情報であるから,情報公開条例を改正してでも開示するようにするべきであるという付言が付されていたこと等を報告いただきました(詳細は,領収証の個人情報公開訴訟の報告記事をご参照ください)。

    仙台市民オンブズマンは,現在,控訴しており,一審の条例解釈の誤り等について指摘する控訴理由書を裁判所に提出しました。今後の動向については,当HPでも報告する予定ですので,是非ご注目ください。

    4 大盛況のまま終了しました!

    1日目は合計173名の参加者があり,今年の全国大会も大変な盛況となりました。また,夜の懇親会も多数の参加があり,全国各地の皆様と交流を深めると共に,貴重な情報交換をさせていただきました。

    2日目は共謀罪と公安警察,情報公開セミナー,政務活動費と海外視察の3つの分科会に分かれ,分科会毎に活発な意見交換が行われました。政務活動費と海外視察の分科会では,仙台の畠山裕太弁護士より,宮城県議会議員がニュージーランドに海外視察した費用の返還を求める訴訟(一部勝訴)を報告させていただきました。

    今後の活動に向けて非常に貴重な情報を得ることが出来たと感じています。来年の開催場所は未定ですが,興味を持っていただいた方は,是非,全国大会にもご参加ください!

    (渡部雄介)

    仙台市民オンブズマン

    事務局 仙台市青葉区中央4-3-28朝市ビル4F 宮城地域自治研究所内 TEL 022-227-9900 FAX 022-227-3267