仙台市民オンブズマン|市民による行政の監視役
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  • 第30回全国市民オンブズマン仙台大会2023のお知らせ

    毎年1回、全国市民オンブズマン大会が開催されていますが、記念すべき第30回大会が、仙台で開催されることになりました。

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    第26回全国市民オンブズ全国大会in岐阜・2019のご報告

    1 はじめに
     
     令和元年9月28日,29日,岐阜市文化産業交流センター「じゅうろくプラザ」において,第26回全国市民オンブズ全国大会in岐阜が開催されました。今回の参加者は,全体で220名を超えたようで,大盛況でした。今回,仙台市民オンブズマンからは合計6名のメンバーが参加しました。
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    第25回全国市民オンブズマン新潟大会の報告

    平成30年9月1日,2日,第25回全国市民オンブズマン新潟大会が開催されました。今回,仙台市民オンブズマンからは合計8名のメンバーが参加しました。

    1 地下鉄東西線問題の報告

    1日目は,公共交通機関のあり方と入札・談合問題を主要テーマに各種報告が行われました。仙台からは,小野寺信一弁護士より,地下鉄東西線問題について報告させていただきました。

    地下鉄東西線の事業認可申請当時,仙台市は地下鉄東西線の需要予測を1日あたり11万9000人と推定していました(仙台市民オンブズマンは多くて1日あたり6万人程度と推定していました)。ところが,実際に開業すると,1日あたりの地下鉄東西線の利用者数は1日あたり約5万4000人に留まり,需要予測の誤りが明らかになりました(詳細は地下鉄東西線訴訟関係のHP記事をご参照ください)。需要予測の誤りに基づく地下鉄東西線の建設により,仙台市は多額の借金を抱える状況になりました。

    小野寺信一弁護士は,需要予測の誤りが発生する原因について,①予測が外れても責任を取る必要がないこと②予測が外れた原因を究明し,次につなげる仕組みがないこと③作ること自体が目的となり,作った後のことは考えないことの3点を指摘し,需要予測の誤りについて責任を取るものがいない現状をかえる必要があると訴えました。

    2 入札談合問題

    全国市民オンブズマン連絡会議事務局長の新海聡氏より,入札,談合問題について報告いただきました。

    入札手続における各都道府県の平成29年度平均落札率は92.6%であり,前年度の91.7%から上昇していることが明らかになりました。近年は総合評価方式を採用する自治体も増えていますが,大阪府等の自治体からの資料に基づくと,落札率と工事の質との間に相関関係はなく,総合評価方式が機能していないことが明らかになりました。また,新海氏からは,総合評価方式は癒着の温床になるのではないかとの指摘がありました。

    また,一者入札(入札手続に1者しか入札せず,実質的に入札となっていない状況)が多くなっているという現状の報告がありました。特に,宮城県は,一般入札に占める1者入札の割合が34.4%(仙台市は36.0%)と高い現状にあるとのことでした。新海氏は,一者入札は無効とするべきである,また,総合評価方式を見直しを必要するべきであるとの提言がありました。

    3 個人情報公開訴訟の報告(各地報告)

    仙台の坂野智憲弁護士より,宮城県議会議員の政務調査費領収書情報公開訴訟の報告がありました。訴訟一審では敗訴したものの,一審判決では,オンブズマンが開示を求めている情報は,公開する必要性の高い情報であるから,情報公開条例を改正してでも開示するようにするべきであるという付言が付されていたこと等を報告いただきました(詳細は,領収証の個人情報公開訴訟の報告記事をご参照ください)。

    仙台市民オンブズマンは,現在,控訴しており,一審の条例解釈の誤り等について指摘する控訴理由書を裁判所に提出しました。今後の動向については,当HPでも報告する予定ですので,是非ご注目ください。

    4 大盛況のまま終了しました!

    1日目は合計173名の参加者があり,今年の全国大会も大変な盛況となりました。また,夜の懇親会も多数の参加があり,全国各地の皆様と交流を深めると共に,貴重な情報交換をさせていただきました。

    2日目は共謀罪と公安警察,情報公開セミナー,政務活動費と海外視察の3つの分科会に分かれ,分科会毎に活発な意見交換が行われました。政務活動費と海外視察の分科会では,仙台の畠山裕太弁護士より,宮城県議会議員がニュージーランドに海外視察した費用の返還を求める訴訟(一部勝訴)を報告させていただきました。

    今後の活動に向けて非常に貴重な情報を得ることが出来たと感じています。来年の開催場所は未定ですが,興味を持っていただいた方は,是非,全国大会にもご参加ください!

    (渡部雄介)

    第24回全国市民オンブズマン和歌山大会のご報告

    9月2日,3日に第24回全国市民オンブズマン和歌山大会が和歌山市内において開催され,畠山副代表と私の2名で参加してまいりました。
    今年は森友学園問題・加計学園問題に象徴される「権力によるえこひいき」の問題について,市民がどのようにすれば調査し,正していくことができるのかがテーマとなりました。「もりかけ問題」についての国会審議における担当大臣・政府委員の答弁のように,明らかに疑わしいことを示す状況証拠があるにもかかわらず,「記憶にない」「記録にない」の連発で追及をかわされると,真実を明らかにすることはおよそ不可能となってしまいます。
    全国市民オンブズマン大会では,情報が民主主義の基礎となる国民の共有財産であることから,公用サーバー・公用パソコンに保有されている電子情報の管理・公開のためのルールを確立させ管理を徹底させること,行政への働きかけがあった場合は記録する制度を作ることなどを求める大会宣言を採択しました。
    その他,毎年おなじみの政務調査費・政務活動費の不正支出の問題も分科会において取り上げられました。虚偽報告などおなじみの不正支出問題がある中,政党の県の支部に寄付ないし委託費名目で多額の政務活動費が支出され,政党から各議員に活動費として還流されているケースなどが特に目を引きました。また多くの議員が日本会議などの政治団体に対する会費を政務活動費から支払っていることについて問題視する声も会場から上がり,今後の検討課題となるように思われました。
    なお,政務活動費の支出に係る領収証等のインターネット公開をしている地方議会は現在30議会に及び,来年度はさらに13議会においてインターネット公開を開始するとのことです。全国において着々とインターネット公開が進んでいる状況を確認できました。
     
    来年の全国大会は25回目であり,4半世紀の区切りとなる全国大会となります。どこかの都知事がおっしゃった税金の「ワイズスペンディング」に資するという観点から,これからもオンブズマン活動に取り組んでまいりたいと思います。
    石上雄介

    第20回 全国市民オンブズマン京都大会に参加してきました

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    9月7日、8日に京都市で第20回全国市民オンブズマン京都大会「このままやったら、あきまへんどすなぁ議員さん」が開催されました。(詳細は、全国市民オンブズマン連絡会議のホームページをご参照ください。)

    全国から230名、仙台からもオンブズマンとタイアップグループのメンバー総勢14名が参加しました。全国大会から既に3ヶ月以上経過しているところではありますが、以下、ご報告致します。

     

    1 全体会

     

    ● 全体会の概要

    全国地方公共団体の議会が形骸化し、議員活動の透明性も問題となっている中、議会における質問を精査し、調査研究活動を行った形跡を調べるべく、仙台市民オンブズマンがさきがけとなり、「議員通信簿」を導入しました。(議員通信簿の詳細については議会ウォッチャー・仙台のホームページをご参照ください。)

    全体会では、議員通信簿の活用方法などを交え、議会改革と政務調査費(政務活動費)に関する調査報告や、現職の奈良県生駒市長の山下真氏twitter)を交えたパネルディスカッションが開催されました。

     

    ● 小野寺信一弁護士による報告

    当オンブズマンからは、議員通信簿の発案者である小野寺信一弁護士が報告を行い、仙台市議会における議員通信簿ランキングの概要や、良い質問の例、悪い質問の例を紹介しました。

     

    良い質問の例としては、事前・現場調査を踏まえ、具体的な改善案を提示し、1つの問題について具体的かつ多角的な質問がなされており、参照されるべきものと思われます。

    悪い質問の例としては、事前・現場調査が無く、担当者に聞けば分かるような内容であることや、改善点の提示もなく抽象的な質問がなされており、議会における質疑を行う意義を疑わせるものであり改善が望まれます。

     

    ● パネルディスカッション

    パネルディスカッションには、山下市長の他小野寺信一弁護士らも参加し、地方議会の形骸化の実態やその原因、対策等について議論が交わされました。

     

    議会の形骸化の原因としては、議会を目の前で見て評価する者がおらず、議会がセレモニー化していることなどが指摘されました。

    形骸化への対策として、現在のような個人プレーによる調査・質問ではなく会派全体による組織的な調査がなされるべきこと、専門家に調査を委託し協働すべきであること(地方自治法第100条の2に議会が専門的事項に係る調査を専門家に委託できる旨の規定があります。)等が指摘されました。

    また、議会活性化のために市民オンブズマンとして取り組むべきこととして、議員通信簿などを通じて議会の活動を広く市民の方々に知ってもらい、評価・批判の目に晒すことで議員側の意識改革をすること、裁判などを通じて議員に説明責任を果たさせること、などが指摘されました。

     

    2 分科会

     

    ● 分科会1 議会分科会

    全体会に引き続き、議会の形骸化の原因等について会場発言を交えながら議論がなされました。

    会場発言では、議会議員経験者からの発言も多数なされ、議員報酬削減により議員の循環を促すべきこと、組織力やコネで当選できる現行の選挙制度に問題があること等が指摘されました。

    山下市長からは、議会活性化のために、反問権首長ほか職員が、議長の許可により議員の質問に対して論点・争点を明確にするため、反問することができるもの。)創設の提案がなされました。

    当オンブズマンからは、庫山恆輔が、議員通信簿を活用し、質問と政務調査の相関関係を調査すべきだとの発言を行いました。

     

    ● 分科会3 警察問題分科会

    警察問題分科会では、名著『警察崩壊』の作者であり警察裏金問題の告発で有名な原田宏二氏による、「監視社会と警察」というテーマでの講演がなされました。

    講演の中では、大量の監視カメラ、Nシステム、インターネット監視法や携帯電話のGPS機能を活用し、警察が犯罪捜査という目的を逸脱して大量の情報を収集し国民のプライバシーを脅かしている実態が紹介されました。また、警察が捜査関係事項照会(刑事訴訟法197条2項)という「水戸黄門の印籠」を振りかざし、令状主義が骨抜きにされていることにも警鐘が鳴らされました。

    最後に、「特定秘密保護法」が凋落しつつあった警備・公安警察の起死回生の法となり、オンブズマンをはじめとする市民の政治参加活動が一層監視され、取締の対象となる可能性もあるということが述べられました。

    仙台市民オンブズマンからは、自衛隊の国民監視差止訴訟や特定秘密保護法反対運動に参加する弁護士らが参加しました。警察組織の腐敗を身を持って体験した原田氏による権力暴走の危険性についての話は、大変説得力があり、私たちが日頃行っている活動の意義を改めて感じることが出来ました。

     

    3 2日目 

     

    全国大会2日目には、各地のオンブズマンからの報告がなされました。

    当オンブズマンからは、渡部雄介弁護士が、震災がれき処理問題について(詳細は、ブログ記事をご参照下さい。)の報告を行いました。

    その後は、特定秘密保護法制とオンブズマン活動への影響に関する報告がなされ、最後に大会宣言を行って大会は終結となりました。

     

    4 最後に

     

    今回の全国大会では、当オンブズマンがさきがけとなった議員通信簿の活用が議論されたことはとても意義深いことだと考えております。

    議会の形骸化の原因はこれまで議会を評価してこなかった市民の怠慢だとの厳しい意見も出ました。当オンブズマンとしても、宮城県議会や仙台市議会の活動を広く市民の皆様に知っていただき、興味を持っていただけるような活動をしていきたいと考えております。

     

    全国大会ももちろんですが、秋の京都も満喫することができました。また、初日夜には先斗町にオンブズマンメンバーで繰り出し、交流を深めることができました。

    全国津々浦々を巡ることができるのも、全国大会の大きな魅力の一つと思います。

     

    (宮腰英洋)

    仙台市民オンブズマン

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