当オンブズマンでは,宮城県,仙台市の非常勤の行政委員が,
その結果,宮城県の場合,委員長は日給3万7077円で33位,
仙台市の場合,全政令指定都市中,
特に仙台市の選挙管理委員会の委員が時給10万円超というのは,
宮城県は平成27年2月の定例会で条例を改めたようなので,
仙台市の選挙管理委員会の委員は,先の水増し事件に端を発して,
仙台市も全国の多くの例に倣い,少なくとも日額・
この調査では,
甫守
当オンブズマンでは,宮城県,仙台市の非常勤の行政委員が,
その結果,宮城県の場合,委員長は日給3万7077円で33位,
仙台市の場合,全政令指定都市中,
特に仙台市の選挙管理委員会の委員が時給10万円超というのは,
宮城県は平成27年2月の定例会で条例を改めたようなので,
仙台市の選挙管理委員会の委員は,先の水増し事件に端を発して,
仙台市も全国の多くの例に倣い,少なくとも日額・
この調査では,
甫守
仙台市長は,平成25年2月5日の定例記者会見で,非常勤の行政委員の報酬制度について,区の選挙管理委員会の委員のみ日額制へ移行させ,他の行政委員については月額制を維持するという考えを発表しました。
この発表を受け,仙台市民オンブズマンは,同月12日,仙台市長に対し,すべての非常勤行政委員の報酬制度を日額制とする条例案を作成するよう,緊急の申し入れを行いました。
対応した市の担当者によると,仙台市は各委員に対するヒアリング調査すら行っていないということでした。以前仙台市長は,例外なく見直しを行うと発表したのですが,実際は結論ありきで実質的な検討を行っていないと疑わざるを得ません。我々は仙台市の検討資料の一切を情報公開請求いたしましたので,開示された資料を検討し,今後もこの問題に対処していきたいと思います。
宮城県の状況については,先般,全国の見直し状況が新聞報道され,多くの都道府県では既に日額への見直しがなされているにもかかわらず,宮城県は,未だ見直しがなされていません。
宮城県は,直ちに月額報酬から日額報酬への見直しに着手すべきであり,その検討に際しては,第三者委員会を設置するなどして,市民の意見も反映させるべきです。
なお,宮城県に対し月額報酬差止めを求めている裁判はまだ続いております。今月18日に上告受理申立書を提出しました。
宮城県の非常勤の行政委員に対する報酬を月額とする条例の違法性を訴えている裁判は、まだ、続いています。
平成24年12月25日、午後1時15分から、仙台高裁第1民事部で、この控訴審の判決がありました。結論は…… 控訴棄却(請求棄却の原判決を維持)でした。
判決の内容について、私の偏見に基づく解説をいたします。
まず、今回の判決は、主張の引用が雑です。仙台市民オンブズマンは、各委員の勤務時間は、勤務時間外の負担を考慮しても、概ね1勤務日当たり8時間以内に収まると主張していたのですが、なぜか「概ね月8時間以内」という引用になっています。これは、ただの誤字かとも思いましたが、4頁の2行目、11頁の15行目と2度も間違えていますので、誤字ではないですね。確かに、こちらの控訴理由書の記載は少し分かりにくかったと思いますが、きちんと原審記録を読めば、「1日8時間以内」という主張だと分かった筈です。裁判官は記録を読んでいないのでしょう。
あと、月額報酬制を採用するには「特別な事情」が必要との主張をこちらがしているかのような引用の仕方もしています(11頁8行目)。確かに原審の初期段階にはそういう主張もしていましたが、特に昨年の最高裁判決以降、この主張は事実上撤回しました。これも記録を読めば分かる筈ですが。
要するに、仙台高裁はこの事件を真摯に判断する姿勢が更々なかったということです。仙台市の同様の事件でも同じ仙台高裁第1民事部で、同じように雑な判決でした。最高裁判決があると、裁判官は思考が停止するのだと思いますが、負けさせる側の主張を曲解してそれを否定する論法は、仙台市の事件に引き続いてですから、仙台高裁第1民事部の悪癖なのだと思います。
それから、今回仙台高裁は、月額報酬制に「相応の根拠がある」という判断(12頁2行目)をしました。これには少し驚きました。最高裁も、原審も、「月額報酬制は合理的とは言えないけれども、裁量の逸脱濫用とまではいえないよね」というニュアンスだったのですが、明らかに県寄りの判断に内容を変えて来ました。その根拠は、「本件各委員は、県政の中心に位置づけられる重要な職務に遂行するもので」(原文ママ)あるからだそうです。しかし、職務が重要なら月額でいいというのは、飛躍し過ぎだと思います。法は、どうしてその重要な職務を行う人の報酬を、原則日額とすることにしたのか、仙台高裁は考えた形跡がありませんし、その重要な職務の実質が空洞化しているというこちらの指摘には、まったく触れず終いです。
相変わらずの司法消極主義もさることながら、判断過程のひどさには、強い徒労感を感じさせられます。オンブズマンは、行政と議会の改革以前に、裁判所改革を訴えないといけないかもしれませんね。
甫守
本年7月27日、宮城県議会に対し、月額報酬制を採用している非常勤行政委員の報酬制度について見直しを求める申し入れをしてきました。
6月28日の記事にも掲載したとおり、月額報酬制を定める条例が違法なものであるとして、当オンブズマンが宮城県の非常勤行政委員に対する報酬支払の差止めを求めた事件について、平成24年6月26日仙台地裁判決は、その請求を棄却したものの、宮城県議会において、「今後,宮城県議会において,日額報酬制を採用するか否かはともかくとして,行政委員に対する報酬制度のあり方について,宮城県の上記財政状況との権衡の観点を踏まえて,相当期間内に改めて政策的,技術的見地からの判断を加えることが期待される」と指摘しました。
議会には、既存の条例が適正かつ公正で県民に対して十分に説明可能な合理的な内容のものであるか否かを絶えず検証する責務があり、宮城県議会においては、上記仙台地裁判決を真摯に受け止め、非常勤行政委員の報酬制度について、改めて政策的、技術的見地からの検討・判断を行うことが求められているのです。
そこで、当オンブズマンは、かかる検討・判断を促すべく申し入れを行った次第です。
今回の申し入れにより、宮城県議会内における議論がなされ、月額報酬制が見直されることを期待します。
〈申し入れの趣旨〉
月額報酬制が採用されている現在の宮城県の非常勤行政委員の報酬制度について、勤務の実態及び宮城県の財政状況との権衡の観点を踏まえて、相当期間内に改めて政策的、技術的見地からの検討・判断を行うよう求めます。
前田
平成24年6月12日,仙台市行政委員報酬支出差止上告受理申立事件の上告受理申立て理由書(全部で34頁)を最高裁に提出しました。
上告受理申立て理由書のダイジェスト版は以下の通りです。
甫守
平成24年6月26日午前10時より,仙台地裁(第1民事部)において,宮城県の非常勤の行政委員(選挙管理委員会の委員,教育委員会の委員,労働委員会の委員,収用委員会の委員)に対する公金支出差止請求事件の判決がありました。
結論は,やはり請求棄却でした。
判決の理由ですが,最高裁判決や先の仙台高裁判決の論理を引きつつ,今回の事実を当てはめたという感じで,特に目新しい所はなく,裁判官が自分の頭で考え判断した形跡は殆どありませんでした。
繰り返しになりますが,昨年末の最高裁判決の影響力は限りなく大きいですね。あの最高裁判決後に住民勝訴の判決を書くのは,裁判官にとって物凄く勇気が要ることだと思います。それでも裁判官は憲法上職権の独立が認められていますし,きちんと法と証拠に則った判決をしてくれるんじゃないかと,1%くらいは期待していたんですが,やはり駄目でした。
今回の事案の特徴は,平成19年度・平成20年度の上記委員会の委員経験者ほぼ全員に対して,勤務時間外の準備等についての書面尋問(アンケートのようなもの)を実施したことでした。
その結果,相当数の委員は勤務時間外に何も準備しないで会議等に臨んでいることが明らかになったのですが,一部の委員に勤務時間外の負担が大きいことをアピールされ,その部分をつまみ食い的に認定されこちらに不利に使われてしまいました。
我々も一部の委員が勤務時間外に頑張っていることは否定しないのですが,その頑張りが委員全員に対する報酬を基礎づけるといえるのか,また本当に報酬に値する負担なのかについて,裁判所にはもっとよく考えて欲しかったと思います。
また、宮城県はただでさえ財政がとても苦しい上,震災が発生し,さらに絶望的な財政状況だということでした。宮城県のHPを見ればこのことが嫌という程書いてありますので証拠としても提出しました。財政の問題については裁判所も触れざるを得ないと思ったらしく,最後に傍論で,
「今後,宮城県議会において,日額報酬制を採用するか否かはともかくとして,行政委員に対する報酬制度のあり方について,宮城県の上記財政状況との権衡の観点を踏まえて,相当期間内に改めて政策的,技術的見地からの判断を加えることが期待される」
と述べています。でも裁判所には,法律によって,違法な条例は違法と判断して支払いを差し止める権限が与えられているわけですから,議会任せにせず,自分で「おかしい」と思ったら,その思いに従って判断をして欲しいと思います。
裁量論と司法消極主義は,社会的影響の大きい判断はしたくないという日本人気質の裁判官にぴったりなものですが,憲法と法律は裁判所に日和見的判決出すことを期待しているのか,長年この問題をほったらかしにしてきた議会をあてにすることができるのか,裁判所はもう一度よく考えて欲しいです。
と,いつまでも文句を言っていても何も生まれません。齋藤拓生団長以下弁護団でしっかり判決の内容を検討して,控訴理由書を書きたいと思います。
甫守
平成24年4月13日、仙台高等裁判所において、仙台市行政委員報酬支払差止請求控訴事件の判決がありました。
結果は、残念ながら逆転で全面敗訴となってしまいました。
一審(仙台地裁平成23年9月15日)では、証拠の評価、論理構成とも優れた判決で仙台市民オンブズマンの請求をほぼ全面的に認めてくれたのですが、控訴審では、不当にもこの一審判決が覆されてしまいました。
昨年末の最高裁判決(最判平成23年12月15日)で、滋賀県の選挙管理委員会の委員についての月額報酬制を適法と認められた影響は大きく、今回の仙台高裁判決は、最高裁判決の論理を踏襲したものです。今回の判決は、同種案件について、最高裁判決後初の下級審判決となります。
全国的に見て、行政委員への証人尋問を実施した裁判はあまり例が無いようですが、証人尋問によって行政委員の職務の実態を明らかにし、一審では勝訴することができました。控訴審の判決は、本当に残念です。
しかし、弁護団はまだまだあきらめません。先日のオンブズマン例会で上告受理申立をすることとなりました。この税金の無駄遣いを止めさせるよう、最高裁ではさらに知恵を尽くします!
それにしても、仙台高裁の裁判官はきちんと自分の頭で考えて判決を出したのでしょうか。残念ながら、私の目には最高裁判決に盲目的にしたがったようにしか見えません。
例えば、刑事裁判における裁判員の日当が1万円以下なのに、なぜ半日程度、形式的な会議に出席するのが主な仕事になっている行政委員の報酬が、日額換算で10万円前後でも適法と言えるのでしょうか。
現在の月額報酬制が妥当でないのは、最高裁判決の補足意見でも認められていますし、この事件を担当したどの裁判官も分かっているはずです。
裁判所は議会の裁量といいますが、仙台市議会が裁量判断を行っていないことは証拠上明らかです。行政委員の報酬制度という事項について、議会に広範な裁量を認める理由などどこにもないはずなのですが。
裁判所は、多くの市民が納得できるような理由を説明する義務があると思います。今回の判決に、その義務を果たそうとする真摯さが欠けています。
甫守
本日平成24年3月27日午後1時20分より,宮城県を被告とする行政委員月額報酬訴訟で仙台地方裁判所における口頭弁論期日が開かれました。
こちらは下記のような最終準備書面(表を含めると100頁!)を陳述し,宮城県の財政状況を示す証拠などを提出しました。被告宮城県からも書面尋問の内容を踏まえた準備書面が陳述されました。
昨年末に滋賀県の同様の事件で住民側敗訴の最高裁判決が出され,この宮城県の事件にもこちらに不利な影響が及び得るところです。原告弁護団の中では,最高裁判決の枠組みに従うべきかどうかという点の議論もありましたが,結局最高裁の枠組みに従った論理構成を採ることになりました。書面による尋問(訴訟上のアンケートのようなもの)で40人もの委員から勤務時間外の負担等について回答を得ているというのは,この宮城県の事件だけの強みですから,最高裁の基準によっても十分勝算ありと信じて戦っています。
次回期日は4月24日(火)午前10時からです。裁判長によると,この日に結審する予定です。判決が出る頃はきっと夏ですね。仙台市の事件の高裁判決や最高裁の調査官解説もこの事件に影響しそうです。
甫守
5月31日午後2時30分から,仙台地方裁判所第1民事部において,宮城県行政委員報酬差止訴訟の期日がありました。
これまで,オンブズマンは,各行政委員の勤務実態を明らかにするために,①各行政委員がプライベートの時間を削って必要な資料の確認や調査研究等を行ったことはあるか,②あるのであれば,どのような調査研究をしたのか,③資料の調査・研究等に費やした時間はどのくらいなのか,等について,各行政委員に対する証人尋問に代えて,書面の提出による証拠調べを申請しておりました。本日の裁判で,上記証拠調べの請求が採用されることとなりました。
なお,7月中旬には,各行政委員からの回答が出揃う予定です。 次回の裁判期日は9月6日となっております。
わたなべ
事務局 仙台市青葉区中央4-3-28朝市ビル4F 宮城地域自治研究所内 TEL 022-227-9900 FAX 022-227-3267