平成27年1月30日,昨年末の衆議院議員総選挙と国民審査の票水増し問題等を受け,仙台市長,仙台市選挙管理委員会,青葉区選挙管理委員会に対し申入れをしてきました。
申入書は以下の通りです。
当オンブズマンでは,震災前から,選挙管理委員会の委員など非常勤の行政委員の月額報酬は,時給換算にすると約10万円ないしそれ以上になる点や,事務局が決めたことを追認するだけの仕事しかしていない点などから,日額制を原則と定めた地方自治法に違反するとして,仙台市長に対し,報酬の支払差止めを求める裁判を戦っていました。裁判の中で市長は,「委員は職責を果たすために常時待機の状態にある」「委員の職務の内容等は常勤の委員と異ならない」「委員は高度な専門性と広範な識見を有する」等と主張して月額報酬の合理性を主張し,平成24年9月には最高裁で当オンブズマンの敗訴が確定しました。
ところが今般の不祥事発覚後,選挙管理委員会の委員長が議会の協議会に出席していないことが批判されると,市長は一転,「委員長は非常勤で,選挙実務に精通している役職ではない」と述べたのです。裁判での主張と矛盾していると思いませんか。市長は裁判では嘘を付いていたのでしょうか。
我々の最新の調査によると,時給換算にすると,全国的にも仙台市は非常に高額な報酬を委員に支払っています。市民が支払わされているのです。委員がそのように高額な報酬に見合う仕事をしていないことは,誰の目にも明らかです。市長は速やかに現在の月額報酬制を日額制に改める条例改正案を議会に提出すべきです。
それから,選挙管理委員会は,実態はどうあれ法律的には,市長から独立し,選挙事務の管理と執行について最終的な責任を負う行政機関です。職員の任命権者でもあり,不正を行った職員に対する監督責任があるのは当然です。本来は委員長が真っ先に謝罪会見を行うべきでした。一連の対応を今年の1月20日まで事務局長と市長任せにしていたことは恥ずべきことです。しかも同じ日にさっさと再発防止のため第三者機関を設置することを発表しました。これでは高額な報酬を払って弁護士等の有識者を非常勤の委員にしている意味がありません。
責任の取り方は色々あるかもしれませんが,市民が納得する方法として,報酬の返還,実効性のある第三者委員会の設置,辞職という3つを提案しました。それから,各委員は,第三者委員会の聴き取り調査で,これまで事務局任せで職員に対する監督をろくにして来なかった事実をきちんと話すことも大事だと思います。
以下は蛇足です。私の不勉強だったら申し訳ありませんが,選挙管理委員会は市長から独立して最終的責任を負う執行機関ですから,選挙管理委員会の委員長が謝っていないのに市長が謝罪していたのは,おかしなことだと感じます。まるで議会が市長の責任を追及するような形になったのも違和感があります。選挙管理委員会の委員を選出したのは市議会ですので,市長よりむしろ市議会の方に責任があるはずです。今回の選挙管理委員会の不祥事について,市長は謝ることないと思います。日額制への移行が遅れていることや裁判で嘘を主張したことなら謝って欲しいですが。
回答は,2月13日までにもらえるよう申し入れています。
甫守