仙台市民オンブズマン|市民による行政の監視役
  • HOME
  • >
  • 非常勤行政委員の報酬問題
  • >
  • 仙台市の非常勤行政委員
  • >
  • 【不当判決】仙台市行政委員月額報酬訴訟
  • 【不当判決】仙台市行政委員月額報酬訴訟

     平成24年4月13日、仙台高等裁判所において、仙台市行政委員報酬支払差止請求控訴事件の判決がありました。

     結果は、残念ながら逆転で全面敗訴となってしまいました。

     一審(仙台地裁平成23年9月15日)では、証拠の評価、論理構成とも優れた判決で仙台市民オンブズマンの請求をほぼ全面的に認めてくれたのですが、控訴審では、不当にもこの一審判決が覆されてしまいました。

     昨年末の最高裁判決(最判平成23年12月15日)で、滋賀県の選挙管理委員会の委員についての月額報酬制を適法と認められた影響は大きく、今回の仙台高裁判決は、最高裁判決の論理を踏襲したものです。今回の判決は、同種案件について、最高裁判決後初の下級審判決となります。

    全国的に見て、行政委員への証人尋問を実施した裁判はあまり例が無いようですが、証人尋問によって行政委員の職務の実態を明らかにし、一審では勝訴することができました。控訴審の判決は、本当に残念です。

     しかし、弁護団はまだまだあきらめません。先日のオンブズマン例会で上告受理申立をすることとなりました。この税金の無駄遣いを止めさせるよう、最高裁ではさらに知恵を尽くします!

     それにしても、仙台高裁の裁判官はきちんと自分の頭で考えて判決を出したのでしょうか。残念ながら、私の目には最高裁判決に盲目的にしたがったようにしか見えません。

    例えば、刑事裁判における裁判員の日当が1万円以下なのに、なぜ半日程度、形式的な会議に出席するのが主な仕事になっている行政委員の報酬が、日額換算で10万円前後でも適法と言えるのでしょうか。

     現在の月額報酬制が妥当でないのは、最高裁判決の補足意見でも認められていますし、この事件を担当したどの裁判官も分かっているはずです。

    裁判所は議会の裁量といいますが、仙台市議会が裁量判断を行っていないことは証拠上明らかです。行政委員の報酬制度という事項について、議会に広範な裁量を認める理由などどこにもないはずなのですが。

    裁判所は、多くの市民が納得できるような理由を説明する義務があると思います。今回の判決に、その義務を果たそうとする真摯さが欠けています

    甫守

     

    仙台市民オンブズマン

    事務局 仙台市青葉区中央4-3-28朝市ビル4F 宮城地域自治研究所内 TEL 022-227-9900 FAX 022-227-3267