政府は、本年10月15日に開会した臨時国会において、特定秘密の保護に関する法律案を提出しようとしています。
しかし、秘密保護法は市民オンブズマン活動に支障を与えるものであり、強く反対します。
市民オンブズマン活動の基盤は情報公開請求です。私たちは、情報公開請求を通じて、行政による公金のムダ遣いや不正を追及してきました。また、こうした活動により、行政による情報独占に風穴を開け、行政の公金ムダ遣いや不正を一定程度改善させました。
一方で、行政には本来公開されるべき情報までも非公開とする傾向があり、私たちはこれまでの活動の中で行政が情報を隠すところに不正があるということを体験してきました。秘密保護法が制定されてしまうと、行政機関はこれを奇貨とし、本来公開すべき情報までをも非公開としてしまうおそれがあります。
また、特定秘密の漏えいに対する重罰化は、正当な内部告発をも著しく萎縮させてしまいます。これでは、本来私たちが知るべき情報が行政の一部の者のみに独占されることを「保護」することになってしまいます。まさに、「不都合な真実を隠ぺいする」ことを「保護」する法案と言わざるを得ません。
この秘密保護法案に対しては、2週間という極めて短いパブリック・コメント期間にもかかわらず、9万件を超える意見が寄せられ、そのうちの約77%が反対の意見でした。この民意を無視し、秘密保護法制定を進めることは暴挙と言うほかありません。
私たちは、国民に開かれた民主主義の実現に逆行する秘密保護法の制定に強く反対します。
2013年10月17日
仙台市民オンブズマン