宮城県議会議長である安部孝宮城県議会議員が,事実婚の関係にあると疑われる女性が共有持分を有する物件を仙台事務所として借り上げ,平成21年4月以降,事務所賃料,光熱費,新聞代,電話料金等に政務活動費から合計545万0844円を充当してきたことについて,違法かつ不当に政務活動費が支出されたものであるとして,宮城県監査委員に対し宮城県に生じた損害を填補すべく,必要な措置・勧告を求める住民監査請求を行いました。
また同時に,安部孝議員の平成22年,23年,25年,26年度分の政務活動費に関する一切の文書について黒塗りなしに公開することを求める異議申立ても行いました。
安部孝議員のこのような政務活動費の支出は,
①安部孝議員は事実婚の関係にあると疑われる女性に6年以上政務活動費から多額の金員を注ぎ込んできたこと。
②宮城選挙区(松島町,利府町)選出の安部孝議員には仙台に事務所は必要ないこと。
③仙台事務所が入所している建物周辺から見る限り,安部孝議員の事務所であることを示す看板等は外観上全く見当たらないこと。
という3点で,宮城県議会における政務活動費の交付に関する条例及び宮城県議会が定めた「政務活動費の手引き」に抵触し,政務活動費の違法不当な支出となります。
本件は,
①議員は政務活動費の使途基準を軽視しており,適正に政務活動費を支出するという意識に欠けている。
②議員の政務活動費の支出をチェックする仕組みが機能していない。
という2点で政務活動費不正支出問題を象徴している事件です。政務活動費問題については抜本的な改革が必要です。
今後オンブズマンは,異議申立てを通して黒塗りなしに開示されるであろう領収証等を精査して安部孝議員の政務活動費の用途をチェックし,安部孝議員の責任をさらに追及していきますが,同時に,宮城県議会に対し,政務活動費に関する資料(収支報告書,活動報告書,出納簿・会計帳簿,領収証・支出伝票等)一切を黒塗りなしにインターネットで公開する制度を導入することを強く求めます。