3月下旬、春本番に向って気温の変化の大きい日が続いていますが、この時期はジャガイモの植え付けの季節でもあります。連休の晴れた日に作業を行いました。
石灰をまいた畑の畝にマルチシートを張り、40センチぐらいの間隔で穴を開けます(写真①)。この穴に、適当の大きさに切った種芋を植えていきます。
今年も「シンシア」と「インカのめざめ」の2種類のジャガイモを植え付けることにしました。
シンシア(写真②、③)は昨年から植えてみたのですが、なかなかの優れものです。まず、形が卵型なので皮がむきやすい。男爵やメークインなどで皮むきに難渋している向きには、おすすめです。それに、煮物、揚げ物、ポテトサラダとどんな料理もおいしくでき上がります。さらに、貯蔵性が抜群です。休眠が長いため芽が出にくいのです。昨年7月に収穫した我が家のシンシアですが、今現在でもほんのちょっとだけ芽が出ている状態です。いずれシンシアがジャガイモの代表格である男爵、メークインの座を脅かすのでは、というのが私の予想です。
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インカのめざめ(写真④)は、クリのような風味が好きで、数年前から栽培を始めました。収量が少なく、芽が出やすいのが難点ですが、なぜか私をひきつけてしまったのです。
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インカ続きで紹介しておきたい本があります。山本紀夫『ジャガイモのきた道―文明・飢饉・戦争』(岩波新書、2008年)です。このなかで著者は、「インカ帝国をささえた食糧基盤はジャガイモであったと考えてよさそうである」と述べています。この事も含めて、ジャガイモとアンデス、ヨーロッパ、ヒマラヤ、日本、アフリカとの関係、さらにはビタミンCやカリウムを豊富に含むなど、食糧資源としてジャガイモの持つ役割等について、多くの興味深い指摘がなされています。