(平成30年7月23日から平成30年7月26日。3泊4日)
第一、支出状況について
政務活動費支出額619万6950円(内9万1950円は、海外旅行保険料)。
旅行経費610万5000円(旅行社日本旅行東北)、平均一人40万7000円。
航空運賃(サーチャージや空港使用料含む)が、387万5760円(平均一人25万8384円)。ビジネスクラス利用と考えられる。
国内交通費が、15人分で44万9540円。
旅行後に請求された専用車費用の明細
23日(入国時) 台北の松山空港から台北駅直近のホテルまでの専用車費用が、一人1万円で13人分13万円の請求。
24日は、1日12時間の専用車費用が1万2500円で15人分合計18万7500円の請求。
25日も、1日12時間で15人分で同額の請求。
その外に、李登輝前総統訪問時に1人分5700円の請求。
26日(帰国時)ホテルから松山空港まで9600円の15人分合計14万4000円の請求。
専用車費用に対しては疑問がある。
一人一台で、相乗りはしないのか?
23日は、エバー航空で12人、JALで2名、全日空で1人が松山空港に到着している。
23日に入国が遅れたJALの2人は、自力で空港からホテルに移動しているから、そもそも専用車が必要だったのか、実際に使ったのか。日本旅行の社員は添乗していない。事前に専用車を手配したというなら、李登輝氏を訪問する予定は最初から一人だけだったのか。
なによりも12時間チャーターしたのであれば金額も納得できるが、ホテルと空港を移動するだけではあまりにも高すぎる。
通訳費用1日12万円の16分の15(11万2500円)は、23日と25日の2日分が計上されている。24日は観光地めぐりと旅行社などとの懇談で通訳はつけていない。16分の15となっているのは、宮城県のアジアプロモーション課長が同行したため。
第二、本件視察旅行の問題点
第1
24日は現地ガイドを伴って観光地(金爪石鉱山跡・九份)を視察した後、台湾の旅行社と宮城県が開設した台湾サポートデスクを訪れている。日本への旅行企画の現状や課題、宮城県が取るべき旅行誘致対策等について話し合ったというが、15人もの視察が何故必要なのかが判らない。旅行社が一番利害関係を有しているから、要望は台湾に行かなくとも十分聞き取れるし、宮城県が設置している台湾サポートデスクの活動状況も県会議員がわざわざ行かなくとも聞き取れるはずである。
第2
「世界台湾商会連合総会」「中華民国工商協進会会長他」「友日議連副会長他」「台湾外交部台湾日本関係協会秘書長他」「台湾総統府副秘書長」「台北市議会副議長他」「台日文化経済協会会長他」等を訪問して経済交流・文化交流・アウトバウンド・インバウンド等について意見交換を行ったというが、具体的な獲得目標を持たない一般的な意見交換では、時間と費用の有効利用がなされているとは言い難い。台湾では訪問者を歓待してくれるがきちんと交流するためには、訪れる側もそれに見合った手土産等が必要となるが、どのような配慮が為されていたのか不明である。
第3
専用車費用という不可思議な支出がなされており、実際に議員がどのように台北市内で行動したのか、食事については何度か台湾側から「ごち」になっていると思われるがそれに対する応答をきちんとしているのか、実情が判らない実績報告書となっている。
以上を総合すると、本件視察は、中身がほとんど無い、議員が旅行すること自体が目的となっているものということができる。主たる観光振興を目的に掲げさえすれば海外視察できるという中身の薄い旅行に公金を支出できないようにすることが必要である。
松澤陽明