仙台市民オンブズマン|市民による行政の監視役
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  • 平成29年7月吉林省訪問
  • 平成29年7月吉林省訪問

     仙台市民オンブズマンの若山です。
     宮城県議会議員の海外視察につき,平成29年7月17日から19日までの,中国吉林省訪問に関して,気付いたことをご報告いたします。

     この訪問は,吉林省と宮城県の友好県省締結30周年記念式典等に出席するためのものであったようです。訪問団は,宮城県知事を団長とした100名以上のものであって,県内の自治体の首長等が参加しており,県議会からは,複数の会派の議員10名が参加していました。

     議員らの行程を見ると,初日の前半と3日目は移動時間であり,初日の後半と2日目は,式典や表敬訪問,政府主催の食事会などの予定となっていました。宿泊に関しては,領収書の限りでは,どの議員も,2泊朝食込みで2万2100円の宿泊代が計上されていました。
     飛行機に関して,行きはチャーター機で全員で中国に向かったようですが,帰りは,ほとんどの議員がエコノミークラス(12万3580円)で帰国している中,ビジネスクラス(23万3580円)で帰国している議員も見受けられたことが,気になりました。

     今回の訪問では,宮城県知事や首長等が,宮城県や各自治体の代表者として参加している一方で,県議会議員は,県や自治体の代表者という立場ではありません。県議会議員が同行に至った経緯や目的も不明であり,同行の必要性には,疑問が残ります。そうである以上,今回の訪問に政務活動費が使用されていること自体について,使途基準に合致した適切な支出であったとはいえないように感じます。現に,10名の議員の中には,今回の訪問にかかった費用の領収書を提出しておらず,政務活動費として計上していない議員も見受けられました。

     また,現在私が探した限りでは,この訪問に関して,ウェブサイトなどのインターネット上で見られる形で報告している議員は,1名だけでした。同議員のウェブサイトや,県知事や首長等の報告内容を見ると,今回の訪問には何らかの成果があったようにも見えましたが,残念ながら,詳細はよくわかりません。
     税金を使った政務活動が行われている以上,市民が使途の詳細を理解するために,成果の報告は必須だと思います。もしかしたら,今回の訪問については,紙媒体の広報誌や,SNS等での報告はなされていたのかもしれませんが,議員の皆さんには,ぜひ,誰にでも理解できるような形で,調査研究等の成果を報告していただきたいと思いました。

    若山 優華

    仙台市民オンブズマン

    事務局 仙台市青葉区中央4-3-28朝市ビル4F 宮城地域自治研究所内 TEL 022-227-9900 FAX 022-227-3267