本日,仙台市民オンブズマンは県知事,県議会各会派と県議会政務調査費に関する
和解を成立させ,これに伴い係属中の訴訟4件をすべて取り下げることを決めました。
高裁に係属中の事件は本日取り下げ,地裁に係属中の事件も追って取り下げる予定
です。
和解内容の概要は次のとおりです。
1 県議会各会派は,本年4月に施行される制度改革に従った政務調査費の運用
を行う。
2 県議会各会派は,03年4月分と05年度分の2訴訟で仙台地裁が県に返還請
求を命じた計約9500万円の半額を県に返還する。
3 オンブズマンは07,08年度の政調費に関する監査請求や訴訟提起を行わな
い。
4 オンブズマンは訴訟4件を速やかに取り下げる。
5 県議会各会派は訴訟に要した弁護士費用等を支払う。
和解に伴って発表したコメントは次のとおりです。
従前の「簡便計算方式」は不当な水増し請求(実費の数倍)であり,一刻も早く
これをやめさせる必要がありました。そこで,オンブズマンは争点をこの点に絞っ
て早期判決を求めていたところ,平成20年12月1日の仙台地裁第2民事部は
これを正面から受け止めてオンブズマンの請求を認めてくれました。このような
司法の力もあって,今回,宮城県議会の改革が実現したのです。
今回実現した改革は全国に例のない画期的なものと評価できますので(詳細は
上記コメント:政務調査費改革の意義,をご覧ください),オンブズマンとしては
過去に支出された政務調査費については訴訟を終結させることとしました。
他方,どんな立派な制度を構築しても,抜け道を探して不当な運用をすれば目的
は達成できません。今回の改革が真に県民のためになされたものかどうかは,こ
れからの運用によって評価されるべきです。残念ながら,これまでの経験から,議
会や警察には自浄能力があるとは評価できません。そこで,オンブズマンは,県
議会がこの改革を忠実に運用していくかどうか,厳しくチェックして
いきたいと考えています。
そごう