仙台市民オンブズマン|市民による行政の監視役
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  • 【不当判決】県直轄事業負担金控訴審判決

    平成23年9月8日,直轄事業負担金の裁判(宮城県が国へ支払った直轄事業費負
    担金のうち,仙台河川国道事務所の土地取得費用を返還するよう求めている事件

    (仙台高等裁判所(行コ)第6号))について,控訴審で判決言渡がありました。
      残念ながら控訴棄却でした。
     仙台高裁の判決は,①地方財政法12条を根拠に,国の経費であっても
    法律又は政令の定めがあれば地方公共団体に負担させることができるとし,
    ②道路法が費用負担を認めているので,③オンブズマンの請求は理由がない,
    とするもので,第1審以上に三行半的でした。
      国有地という資産取得のための費用をどうして地方自治体に負担させられるのか
    など,こちら側が提起した問題点に対して納得のいく回答が全くなされていません。
      オンブズマンとして上告する方針です。

    【裁判報告】県直轄事業負担金控訴審

    7月12日、宮城県直轄事業負担金控訴審の裁判期日がありました。

    当方と宮城県側の準備書面がそれぞれ陳述され、本日で審理は終了となりました。

    次回は判決となります。

     

    次回期日(判決)

    平成23年9月8日(木)午後1時10分~

    わたなべ

    県の直轄事業負担金の控訴審が始まりました

    仙台地裁が第1審で不当にもオンブズマンの請求を却けていたことは前にご報告したとおりです。
      →地裁判決の評価はこちら

    5月24日,県の直轄事業負担金の控訴審第1回期日がありました。

    オンブズマンは控訴状と控訴理由書を陳述しました。
    補助参加人国が反論したいとのことで,第2回期日が下記のとおり決まりました。
    次回は結審される予定です。
      <第2回期日> 7月12日(火)午後2時 仙台高等裁判所にて
                                         そごう

    【不当判決】県直轄事業負担金 仙台地裁判決

     平成23年1月31日、宮城県に対し,国に直轄事業負担金の返還を求めるよう要求していた裁判に関する判決がありました。
    仙台地方裁判所第2民事部はオンブズマンの請求を棄却しました。
     判決書は後日アップしますが,この裁判の内容と,判決について取り急ぎ説明します。
      
      国の直轄事業負担金として宮城県が納めた直轄事業負担金の中に,国の機関である仙台河川国道事務所のための敷地取得費用が含まれていました。
      
      道路法や河川法では,道路や河川の管理に関する費用は,原則として国が負担する旨定めていますが,法律で特別の定めがあれば,地方自治体に対して,一部負担させることができる旨も規定しています。国は,敷地取得費用は,道路法50条や河川法62条等にある,「その他の管理に要する費用」にあたるとして,宮城県や仙台市に負担させたのです。
      
      地方財政法は,地方自治体の財政について定めたものですが,その中には,地方自治体に処理権限がないことについては,原則として,国が地方自治体にその経費を負担させてはダメで,負担させるためには,法律や政令で特に定めなければならない,といった旨の規定があります。
      
      …そうすると,逆に,法律や政令で定めさえすれば,いかなる費用でも負担をさせることができるとも思えますが,そのように考えるべきではありません。
      
      憲法上,地方自治体は,国とは別にその存在を認められています。国が法律で定めさえすれば,どんな費用でも支払わなければならない,というのでは,国は地方自治体に多額の支出を強制することができ,地方自治という制度そのものが成り立たなくなります。地方財政法4条の5は,国が,地方自治体に対して寄附金を割り当てて強制的に徴収することを禁止していますが,これは,国が地方に対して圧力をかけ,地方自治を脅かすことのないようにするためです。
      したがって,道路法や河川法で定めさえすれば,どんな費用でも地方自治体の負担に負担させられるというものではなく,限界があってしかるべきなのです。
      
      そこで,オンブズマンは,道路法や河川法にある,地方自治体に対して負担を求めることができる「その他の管理に要する費用」とは,道路法等が規定する事業を行うために直接必要な経費に限定されると解釈すべきであると主張し,仙台河川国道事務所の敷地取得費用は,事業を行うために直接必要な経費ではないので,「その他の管理に要する費用」に含まれないと主張しました。
      
      しかし,裁判所は,上記のような解釈について,「原告のいう国道の「管理」に直接必要な経費は,極めて相対的な概念であって,国直轄事業負担金としての負担の可否を決する概念としては機能しがたい面があると言わざるを得ない」として,否定しました。
      
      今回の判決で残念な点は,オンブズマンの解釈を否定するのであれば,裁判所が,「その他の管理に要する費用」の限界について,何らかの解釈をし,費用負担の限界について規範を立てるべきであるのに,それをしていない,という点です。
      
      裁判所は,「結局,道路法49条が規定する「管理」に関する費用について,直接経費,間接経費を区別することなく,形式的な文理のとおり,これに要する一切の費用をさすことを前提にしたことをもって,本件負担を違法無効であるとすることはできない」と判示しました。
      これは,結局,「管理」の費用という名前がつけばどんな費用でも地方自治体に負担させる事ができる,と言ったに等しいものです。「形式的な文理」どおりの解釈でよいのだ,という判示は,道路法,河川法の上位にある憲法,地方財政法の趣旨を全く顧慮しないもので,残念というほかありません。
    オンブズマンとしては,控訴する方針です。
                                     畠山

    【第一回裁判期日決まる】直轄事業負担金訴訟(対県知事)

     7月22日、直轄事業負担金の問題で宮城県知事と仙台市長を被告にした住民訴訟を提起していましたが,対県知事の事件について,第一回裁判期日が決まりました。被告の対応が注目されますので,どうぞ傍聴してください。
                                            そごう

      仙台地裁第二民事部 平成21年(行ウ)第17号
      第1回裁判期日 平成21年9月7日(月)午後1時10分

    仙台市民オンブズマン

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