仙台市民オンブズマン|市民による行政の監視役
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  • 仙台市民オンブズマン20周年記念シンポジウムを開催します。

     仙台市民オンブズマンは、1993(平成5)年6月24日に発足し、今年で20周年を迎えます。

     このたび、20周年記念行事として下記シンポジウムを開催いたします。当日は、仙台市民オンブズマンの20年の歩みを振り返るとともに、全国で活躍するオンブズマンと元朝日新聞編集委員の落合博美氏をお招きしパネルディスカッションを行います。

     皆様、お誘いあわせの上ご来場下さい。

     

                   記

          テーマ  「公金チェックの20年とこれから」

          日 時  平成25年6月22日(土)

          場 所  仙台弁護士会館4階

          20周年シンポジウムチラシ.pdf

    震災がれき処理問題について

     震災がれきの処理問題について、オンブズマンは監査請求をしたうえ,会計検査院に不当な処理があったことを情報提供しました。
     宮城県は、石巻ブロックの震災がれき処理のために、鹿島JVと1923億6000万円で災害廃棄物処理委託契約を締結しました。処理業務は順調に推移し平成24年9月には全焼却炉が本格稼働を開始しました(1日当たり1588.5トンの焼却能力)。当初県受託分の災害廃棄物1107万トン、津波堆積物408万トンと推計されましたが、その後推計量の見直しが行われ、平成24年7月時点では災害廃棄物683万トン、津波堆積物237万トンと約4割も減少しました。石巻ブロックでの災害廃棄物の処理量も785万トンから310万トンに、津波堆積物の処理量は292万から43万トンに減少しました。
     ところが宮城県は災害廃棄物の広域処理の必要性があるとして、平成24年8月、北九州市と委託料6億2220万4628円で災害廃棄物処理委託契約を締結しました。また北九州市に災害廃棄物を選別・搬送するために鹿島JVとの契約を変更してその費用11億3820万円を増額しました。しかし北九州市で処理される廃棄物の量は僅かに2万3000トンです。災害廃棄物等の処理量が大幅に減少し、県内での焼却処理体制が整ったのですから災害廃棄物を県外で焼却処理する必要は全くありません。
     それを高額な選別・搬送費用をかけてまで北九州市に運んで処理するなど税金の無駄遣いです。そこで仙台市民オンブズマンは上記処理費用と増額分合計17億6040万4628円について宮城県知事に返還させるよう監査請求を行いました。
     宮城県監査委員は、県に損害がないことを理由に請求を棄却しました。本件処理費用と増額分は全て国の補助金によって賄われるので県には損害はないというのです。もともと災害廃棄物の広域処理は、震災復興に取り組んでいることを政治的にアピールするために国が言い出したことで、必要ないことは県は百も承知でした。官僚と政権のパフォーマンスのために本来震災復興に用いられるべき17億6040万4628円もの税金が無駄にされたわけです。
     本件監査請求が棄却されたのは、自治体の財政チェックという制度趣旨からしてやむを得ない結果です。本来であれば国レベルの監査請求制度が設けられるべきなのです。しかし残念ながらそのような制度が存在しない現状においては、国の財政支出のチェックは会計検査院による検査しかありません。そこで仙台市民オンブズマンは2013年5月27日会計検査院に対し、本件補助金交付について国及び宮城県に対し選択的検査を行うよう情報提供を行いました。
                                                坂野

    第19回全国市民オンブズマン弘前大会が開催されました!

    1 8月25日、26日に弘前市で第19回全国市民オンブズマン弘前大会が開催されました。全国から220名、仙台からもオンブズマンとタイアップグループのメンバー総勢22名が参加しました。弘前大会では、東京電力福島第一原子力発電所事故から1年半余り経過した中で明らかとなってきた政府や東京電力の情報隠しの実態を踏まえ、「原発と市民オンブズマン~まいね(ダメ)!非公開~」がメインテーマに据えられました。
     弘前大会の詳細については、多岐にわたることや、全国市民オンブズマン連絡会議のホームページをご覧いただければ、お分かりいただけるところだと思いますので、ここでは、特に仙台からの参加者の活躍を中心に報告したいと思います。

    2 分科会について
    (1)原発関連問題が弘前大会の分科会の1つとなり、仙台市民オンブズマンの小野寺信一弁護士がコーディネートを担当されました。
    (2)この分科会のコンセプトは、オンブズマン的な手法で、原発の再稼働を阻止することはできないのかを考えるというところにありました。オンブズマン的な手法とは、身近な自治体を対象とし、具体的かつ実務的手段を活用するということで、具体的には、次のようなものです。
     国の原子力安全委員会は、国の原子力防災指針の見直しを進めており(新指針)、その中で、事故が起きた際の避難などの防災対策の重点区域を原発の半径30キロ圏に拡大する方向で検討中です。そこで、住民が、各自治体に対し、まず、東電福島第一原子力発電所事故の避難の実態と混乱の原因を自ら検証することを求め、新指針が東電福島第一原子力発電所事故における避難の教訓を反映しているか、また、新指針に定められた避難を実際に実施することができるかを検証し、それらの一つでも満たされない場合には、原発の再稼働を認めないことを自治体として表明し、知事と電力会社に送付することを求めるというものです。
    (3)そこで、分科会では、まず東電福島第一原子力発電所事故で避難を余儀なくされている方2名から体験をお話し頂きました。お一人からは、原発から3.2キロの距離に住んでいた、震災翌日、役場に行ったところ、大量の防護服が置いてあった、東電の広報担当者がいたが、具体的な状況は言わず、とにかく川俣方面に避難しろということだった、避難した方向が放射性物質の飛んできた場所だった、においや音、気配も何もなしに忍び寄ってくるものの不安感、事故前の避難訓練の意味のなさ、東電が未だに情報隠しをしているのではないかという疑念などについてお話しがありました。お一人からは、妊娠中だった、情報がないため一番濃度の高い15日に避難することになってしまった、少しでも遠くへという迫り来る不安は言い表しようがない、現在、放射線のことを口にできない雰囲気が福島にはある、福島医科大学の副学長は全く信用できない、事故は収束していない、福島では話せない小さな声を聞いて欲しいという思いであるなどのお話しをいただきました。
     次に、仙台市民オンブズマンタイアップグループの甫守一樹弁護士から、住民避難への対応の問題点について国会事故調査委員会等の結果を踏まえて報告頂くとともに、地域防災計画の法的な位置付け、地域防災計画の見直しが迫られている背景、地域防災計画の見直しに際しての課題(大規模複合原子力災害に備えることができるのか、地域防災計画に実質が伴うのか、またそのチェックをどのように行うのか)について、報告頂きました。
     それを受けて、東電福島第一原子力発電所事故を受けて、原発が立地する宮城県、新潟県、青森県とそれぞれの市町村が、独自に原子力安全対策・検証を行う委員会を設置しているがどうか、また、地域防災計画(原子力編)を策定しているかどうか、その見直し作業を行う委員会等についての設置状況と情報公開がどのように行われているかに関して、北海道・東北市民オンブズマンネットワークが行ったアンケート結果の報告がなされました。詳細は、全国市民オンブズマン連絡会議のホームページに掲載されていますが、ほとんど何も進んでおらず、情報公開もなされていない実態が明らかにされました。
    (4)以上を踏まえて、小野寺信一弁護士から、住民としては、自治体に対し、原発の再稼働を認めないことを自治体として表明し、知事と電力会社に送付することを求める、そのための自治体宛の意見書(少しの手直しで、どこの原発、どこの自治体との関係でも利用することができる体裁になっており、全国市民オンブズマン連絡会議のホームページにも掲載されています。)があるので、是非利用してもらいたいという取りまとめがなされました。

    3 震災復興関連特別報告について
     仙台市民オンブズマン事務局長の原田憲弁護士から、宮城県内被災自治体の震災復興計画に関する報告がなされました。
     まず、計画を作成する経過について、各自治体とも被災地代表や各種団体からの意見聴取だけではなく、懇談会、説明会、住民アンケートなどの方法を用いることで、住民の意向を反映させようとしていることはうかがえるものの、実態としてどの程度住民の意向が反映されたのかを検証することの困難性などについて報告がなされました。
     また、計画の内容面については、震災前と同様に、課題に応じて多種多様な事業が横並びで書き込まれているものの、住民の生活と営業の再建を迅速に進めるために、それらの調整をどのように図ろうとしているのか、震災前と同じ体制の下での復旧・復興では、スピード感のある事業の展開に支障が生じるのではないかという問題点の指摘がなされました。他方で、復興交付金の使い勝手の悪さについても指摘がなされ、通常の補助金交付事業のように各省庁の了解を得るための事務作業に忙殺されることなく、交付手続を簡素化し、また、使途についても地域の実情に応じた柔軟性が認められるべきとの指摘がなされました。
     その他に、仮設住宅に関する調査報告もなされ、応急仮設住宅の建設には莫大なコストがかかる、応急仮設住宅以外での対応も検討すべきであることや、応急仮設住宅の建設予定地、使用について事前に具体的に決定しておくべきことについて報告がなされました。
     いずれの報告書も、全国市民オンブズマン連絡会議のホームページに掲載されています。

    4 議会ウォッチング活動の報告について
     仙台の議会ウォッチャーから報告がなされました。
     開会のベルが鳴っても着席しない、開会時に短時間だけ在籍して、その後、長時間離席して戻ってこない、質問者が質問しているのに私語ばかりしている、私語がやんだと思ったら居眠りをしている、余りに熟睡しすぎていて座席から滑り落ちるのではないかと傍聴していてハラハラする、まるで学級崩壊の教室のような光景が広がっていたとのことです。
     しかし、通信簿にまとめ、周知されることにより、少しは改善の兆しが見えてきたとのことです。
     今後は、議員の質問内容を直ちに採点して、議会ウォッチャー・仙台のホームページに掲載し、議員の質問内容の向上に繋げていきたいとのことでした。

    5 決議等について
        上記の原発分科会を踏まえた決議と、政務調査費に関する分科会を踏まえた決議(地方自治法の政務調査費条項の改悪に反対する決議)を採択し、大会宣言を採択して終了しました。

                                             文責:吉田大輔

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    仮設住宅発注に関する文書の公開を請求しました!!

    6月22日、仙台市民オンブズマンは宮城県と仙台市に対し、東日本大震災で宮城県内に建設された仮設住宅について、発注業者の選定過程等を示す文書の公開を請求しました。

     今回、私たちが宮城県と仙台市に対して情報公開請求をした理由は2つあります。

     1つは、建設業者の選定が不透明だからです。現在、宮城県は、建設業者の選定を1つの社団法人に委ねてしまっており、どのような理由で業者が選ばれているのか、全く分かりません。被災者の救済に結びつく業者がしっかりと選定されているのか、検証する必要があります。

     2つ目は、完成した仮設住宅の一部から、雨漏りをしていたり、壁のすき間からアリが入り込むといった欠陥が見つかっているからです。仮設住宅の欠陥問題について、県や市はどのような報告を受け、それに対してどのように対処しているのか、あるいは今後どのように対処していくのか、検証する必要があります。

     仙台市民オンブズマンは、今回開示された情報を元に、仮設住宅の建設が本当に宮城県の復興に役に立っているのかを調べたいと考えております。

    公文書開示請求書はこちらです。

    公文書開示請求書(宮城県).pdf

    公文書開示請求書(仙台市).pdf 

                                     わたなべ

    相沢県議告発で再び嫌疑不十分

     相沢光哉県議会議員を仙台地方検察庁に有印私文書偽造、同行使刑、詐欺及び偽証罪で刑事告発していた件について,本年11月27日,仙台地裁は嫌疑不十分を理由として,再度不起訴処分としました。検察審査会が「不起訴不当」と指摘した後に十分な捜査を尽くしたのか疑問が残ります。報道だけではこの点は定かでありませんが,オンブズマンとしては仙台地検の判断根拠を確認し,納得できない場合は,再度検察審査会への申立も検討するつもりです。

                                             そごう

    <毎日新聞記事> 
    ◆ 元県議会議長の相沢光哉県議の政務調査費収支報告書などに、改ざんされた領収書が添付されていたとされる問題で、仙台地検は27日、検察審査会の「不起訴不当」の議決を受けて再捜査した結果、「別の支出を勘違いして二重計上したためで、意図的ではない」として、改めて相沢県議を容疑不十分で不起訴処分とした。
     この問題を巡っては仙台市民オンブズマンが昨年3月、相沢県議が04年に領収書を改ざんして二重計上し、政調費9万4135円の返還を免れたとして有印私文書偽造・同行使容疑などで地検に告発。今年3月に地検が不起訴にしたが、検察審査会が7月に「捜査が不十分」として不起訴不当と議決した。

    相沢議員 告発

     平成20年3月14日、仙台市民オンブズマンは、相沢光哉県議会議員を仙台地方検察庁に有印私文書偽造、同行使刑、詐欺及び偽証罪で刑事告発しました。
     仙台市民オンブズマンは、平成16年度宮城県議会政務調査費に関し、条例で定める使途基準に合致しない違法支出の返還を求める住民訴訟を提起しています。ところで、政務調査費とは、議会の議員の調査研究に資するための必要な経費の一部に充てるため、普通地方公共団体から会派又は議員に交付することができるお金です。宮城県議会議員の政務調査費は、議員一人当たり月額35万円であり、税金で賄われています。交付を受けた政務調査費のうち、条例で定める使途基準に合致しない支出や、支出せずに残ったお金は宮城県に返還しなければならないことになっています。
     ところが、仙台市民オンブズマンが調査したところ、相沢議員は、日付のみ異なる同じ領収証を自身の政治団体の収支報告書と政務調査費に関する収支報告書に添付して提出していることが判明しました。つまり、相沢議員は、一度、使用した領収証の日付を改ざんし政務調査費として適正に支出したかのように装って、政務調査費の返還を免れたのです。このような相沢議員の領収証の日付を改ざんする行為は、有印私文書偽造罪に、偽造した領収証を政務調査費の収支報告書に添付して提出する行為は、偽造有印私文書行使罪に、偽造した領収証を用いて政務調査費の返還を免れた行為は、詐欺罪にそれぞれ該当します。また、相沢議員は、裁判に証人と出頭し宣誓しながら、印刷費を政務調査費として支出した事実がないにもかかわらず、政務調査費として適正に支出した旨偽証しました。
     相沢議員は、平成15年から16年にかけて政務調査費の条例を検討する委員会の委員長を務め、しかも、平成18年度には宮城県議会議長まで務めています。そのような重要な立場にありながら、相沢議員は、県民の税金で賄われる政務調査費を詐取するために、領収証を偽造し、偽造した領収書を行使して、政務調査費の返還義務を免れ、また、仙台市民オンブズマンに裁判において違法な政務調査費の支出であると指摘されるや、あたかも適正な政務調査費として支出したかのように偽証まで行い、さらに、新聞などにより領収証の偽造を指摘されるや自ら記者会見を開き、上記領収証の偽造について事務員が勝手に行ったなどと述べ、事務員に責任転嫁しました。このような相沢議員の一連の行為は、有権者はじめ県民の議員に対する信頼を著しく損なうものであり、また、裁判を侮辱するものであって、到底許すことはできません。
     相沢議員は、仙台市民オンブズマンに告発された後、裁判で問題にされた政務調査費全額を返還しましたが、相沢議員の犯した行為は、政務調査費を返せば済むという話ではありません。
     今後、適正な捜査が行われ、厳正に処罰されることを期待したいと思います。

    仙台市民オンブズマン

    事務局 仙台市青葉区中央4-3-28朝市ビル4F 宮城地域自治研究所内 TEL 022-227-9900 FAX 022-227-3267