本日,上記訴訟の第1審判決に対して控訴しました。
第1審判決の不当さは,先にご説明したとおりです。
控訴審では,本件海外視察が議会・議員のお手盛りに過ぎないこと,視察日程の半分ほどは観光旅行と区別しがたいこと,視察の効果など何もないこと,などを指摘していきます。第1審の証人尋問等の結果を踏まえれば,ひどいお手盛り旅行であることは明らかです。
仙台高裁が市民感覚に沿った常識的な判断をすることを期待したいと思います。
そごう
本日,仙台地裁第3民事部は,市議会議員海外視察違法公金支出返還訴訟の判決を言い渡しました。池田友信市議,屋代光一市議,佐藤わか子市議,岡田あき子市議に対し,連帯して12万8400円を返還すべきことを宣言したのです
判決主文はこちら→
地裁判決主文081218.pdf
判決全文は後日アップ予定です。
仙台市議の海外視察に対し初めて違法と判断した判決で,オンブズマンの一部勝訴です。
しかし,オンブズマンとしては非常に不満の残る内容でした。一言で言うと,この判決は時代遅れの判決で,市民感覚と乖離しているということです。みなさんはこんなお手盛りの成果のない海外視察が現在も通用すると感じられますか?旅行の実態については, 2008年10月 1日の本HPの記事をご覧下さい。
この判決は議会のお手盛りを放置する判断で,本年12月1日の県議会政務調査費判決とは対照的な判決です。議会のお手盛りを厳しくチェックすべき司法の役割を忘れていると言わざるを得ません。この判決の評価の詳細については,オンブズマンのコメントをご覧下さい。→
地裁判決後コメント081218.htm
本日夜のオンブズマン例会で控訴することを決めたので,来週中には控訴する予定です。控訴審では,せめて平成17年5月12日の大阪高裁判決と同程度の判決を獲得したいと考えています。控訴審の仙台高裁には,議員特権を否定する社会の流れや一般市民の常識にマッチした明快な判断を期待します。
そごう
仙台市議会の共産党を除く7会派が,統一地方選のあった03年4月の政務調査費を選挙活動などに流用した疑いがあるとして,仙台市民オンブズマンが梅原克彦市長を相手取り,対象会派に計約1200万円の返還請求を求めた控訴審判決で,仙台高裁は梅原克彦市長に対し,当時の六会派に計約四百七十万円を返還させるよう命じました。
控訴審の最大の争点は,領収証等の廃棄・返還・不提出の違法性を等しく浮き彫りにすることであった。合理性のない廃棄のみを違法とした一審判決のいいかげんな基準の見直しが目的でした。
その意味で「領収証がないだけで違法な支出と推定することは,政務調査活動に対する干渉,阻害効果を生じかねない」とした控訴審判決は完全な肩すかしでした
按分を認めなかった一審判決を見直して按分を認め,「半月は選挙活動に専念した事情や支出の性質・金額,総支出額に占める割合などを総合考慮し,一見して不自然な支出額は使途基準外を推認させ,適切な反証がなければ違法支出とみなされる」と判示するなど評価すべき点が全くないわけではありませんが、政務調査費の透明性の基礎はあくまでもいざという時の領収証の提出にあります。廃棄・返還・不提出について毅然とした態度をとらなかった控訴審判決は司法の役割の放棄です。
但し,間口の狭い上告審でこれを覆すのは困難であるので,仙台市の上告断念を受けて,オンブズマンも上告を断念しました。
事務局 仙台市青葉区中央4-3-28朝市ビル4F 宮城地域自治研究所内 TEL 022-227-9900 FAX 022-227-3267