仙台市民オンブズマン|市民による行政の監視役
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  • 仙台市・議会機能充実推進会議を傍聴しました。

     平成24年12月26日午後1時から開催された仙台市・議会機能充実推進会議を傍聴ました。

     

     この会議は、地方自治法改正によって、「政務調査費」から改称された「政務活動費」について、仙台市議会としてどのような条例を制定するか検討するための会議です。

     

     政務活動費に関する条例制定の検討過程について、仙台市議会が公開の会議で検討していることは一定の評価はできます。

     しかしながら、傍聴してまず感じるのは、傍聴人に対する配慮のなさです。各会派を代表するする議員の発言は、マイクもなく声も小さいため聞き取りにくく、また配布資料が傍聴人に配られないため、傍聴人は会議の内容は十分に把握できません。

     配付資料を傍聴人に配布するように求めても、「開示請求でお願いしたい。傍聴に徹していただきたい」という返答しかありませんでした。仙台市議会としては、「傍聴させてやっている」という意識なのでしょう。これでは市民に開かれた会議とは到底評価できません。

     

     会議で検討している内容については、政務活動費の「使途基準」と「透明性の確保」とのことですが、これまで要綱等で規定していたところを、全国市議会議長が作成したモデル条例案を参考に議会事務局が条例に書き直し、これについて議員らが意見を述べていました。

     「透明性の確保」については、議長の権限、役割について、「調査」とすべきか「検査」とすべきか等が議論されていたようですが、全く無意味な議論と言う他ありません。

     仙台市議会では、一応、領収書の添付が義務付けられるようになりましたが、平成23年9月分から平成24年3月分までの支出について、オンブズマンで調査したところ、多くの違法不当な支出が確認されました。

     例えば、駐車場代や会議場代等の領収書を添付したとしても、それが何のために支出されたかについては明らかになりません。本当に政務調査活動のために用いられたのか、後援会活動なのか、全くの私的活動なのか、わからないのです。会派・議員が単に報告書に「調査研究」などと書けば、全くチェックされることもなく支出できてしまいます。

     また、調査研究・研修の旅費については、定額が支給されていますので、会派・議員は、報告書に行き先などを書けば領収書が無くとも政務調査費を使えるのです。定額と実費との差額は会派・議員の懐に入ってしまいますし、そもそも何の目的で行ったのかもわかりません。

     実際、某議員は、平成24年3月に2泊3日で熊本県に行きましたが、一日目に某高校や某市役所に行っただけです。しかも訪問の目的も政務調査活動との関連性はなかったようです。

     

     議員らは、このような違法不当な支出についての自覚に欠けるようです。議員らには市民の血税を使わせてもらっているという意識はないのでしょうか。

     次の議会機能充実推進会議は1月16日に開催されるようです。仙台市議会はきちんと次回日程を広報すべきでしょう。

    【不当判決】宮城県非常勤行政委員月額報酬訴訟

     宮城県の非常勤の行政委員に対する報酬を月額とする条例の違法性を訴えている裁判は、まだ、続いています。

     

     平成24年12月25日、午後1時15分から、仙台高裁第1民事部で、この控訴審の判決がありました。結論は……  控訴棄却(請求棄却の原判決を維持)でした。

     判決の内容について、私の偏見に基づく解説をいたします。

     まず、今回の判決は、主張の引用が雑です。仙台市民オンブズマンは、各委員の勤務時間は、勤務時間外の負担を考慮しても、概ね1勤務日当たり8時間以内に収まると主張していたのですが、なぜか「概ね月8時間以内」という引用になっています。これは、ただの誤字かとも思いましたが、4頁の2行目、11頁の15行目と2度も間違えていますので、誤字ではないですね。確かに、こちらの控訴理由書の記載は少し分かりにくかったと思いますが、きちんと原審記録を読めば、「1日8時間以内」という主張だと分かった筈です。裁判官は記録を読んでいないのでしょう。

    あと、月額報酬制を採用するには「特別な事情」が必要との主張をこちらがしているかのような引用の仕方もしています(11頁8行目)。確かに原審の初期段階にはそういう主張もしていましたが、特に昨年の最高裁判決以降、この主張は事実上撤回しました。これも記録を読めば分かる筈ですが。

    要するに、仙台高裁はこの事件を真摯に判断する姿勢が更々なかったということです。仙台市の同様の事件でも同じ仙台高裁第1民事部で、同じように雑な判決でした。最高裁判決があると、裁判官は思考が停止するのだと思いますが、負けさせる側の主張を曲解してそれを否定する論法は、仙台市の事件に引き続いてですから、仙台高裁第1民事部の悪癖なのだと思います。

    それから、今回仙台高裁は、月額報酬制に「相応の根拠がある」という判断(12頁2行目)をしました。これには少し驚きました。最高裁も、原審も、「月額報酬制は合理的とは言えないけれども、裁量の逸脱濫用とまではいえないよね」というニュアンスだったのですが、明らかに県寄りの判断に内容を変えて来ました。その根拠は、「本件各委員は、県政の中心に位置づけられる重要な職務に遂行するもので」(原文ママ)あるからだそうです。しかし、職務が重要なら月額でいいというのは、飛躍し過ぎだと思います。法は、どうしてその重要な職務を行う人の報酬を、原則日額とすることにしたのか、仙台高裁は考えた形跡がありませんし、その重要な職務の実質が空洞化しているというこちらの指摘には、まったく触れず終いです。

    相変わらずの司法消極主義もさることながら、判断過程のひどさには、強い徒労感を感じさせられます。オンブズマンは、行政と議会の改革以前に、裁判所改革を訴えないといけないかもしれませんね。

     

                           甫守

    【報告】北海道・東北市民オンブズマンネットワークin宇都宮

     12月1日、2日に宇都宮で北海道・東北市民オンブズマンネットワークの第41回例会が行われました。

    1、1日目は、「地方自治法改正で政調費はどうかわるのか?」と題してシンポジウムが開催されました。
     シンポジウムでは、まず、上脇博之(かみわきひろし)神戸学院大学法科大学院教授による講演が行われました。この中で、これまで違法とされた政務調査費の支出を合法化するために改正されたのではないかという疑念もあるものの、「議会等の活性化」のためという本質は変わらないはずであり、政務活動費を充てることができる経費の範囲は条例で定めることとされているので、今後は、各議会が定める条例で経費の範囲を拡大させないこと、条例制定後も経費の範囲を拡大させない運用をさせることが重要であるという指摘がありました。
     講演後のパネルディスカッションでは、地方議会議員が議員報酬、政務調査費、費用弁償、行政委員手当などを合計すると、年間に一体いくら受け取っているのかを調査した結果が発表され、宮城県議会では少なくとも1800万円、仙台市議会でも少なくとも1800万円弱を受け取っていることが報告されました。これらの金額のうち、いずれも420万円が政務調査費ですが、今後、政務活動費となり、形式的には支出範囲が拡大する余地があるとしても、具体的な支出内容を追及することが重要であることや、訴訟等の前段階として議会側への申し入れをし回答を得るというやりとりを繰り返し行っていくことが重要であるという指摘、さらには宮城県で採用されている後払方式が使途拡大の防止に有効ではないかという指摘がなされました。
     最後に参加者全員で、政務活動費条例制定に関するアピールを採択しました。

     アピール文はこちら 
    北東ネットアピール121201.pd

    f2、2日目は、例会が開催され、各地のオンブズ組織での取組状況について報告いただきました。また、政務活動費に関して、北東ネットに参加しているオンブズ組織が、12月20日に一斉に議長に対して申し入れを行うことになりました。

    3、次回北東ネット例会は、仙台市民オンブズマン設立20周年企画に合わせて、来年6月22日、23日に仙台で行われることになりました。地元開催でもありますので、多数御参加いただきますようお願い致します。

                                                   吉田

    仙台市民オンブズマン

    事務局 仙台市青葉区中央4-3-28朝市ビル4F 宮城地域自治研究所内 
    TEL 022-227-9900 FAX 022-227-3267 【ご注意】仙台市民オンブズマンに情報提供等をいただく前に