仙台市民オンブズマン|市民による行政の監視役
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  • 宮城県議会ベトナム海外視察の件(監査請求~提訴)について

     

    畠山です。

    宮城県議会のベトナム海外視察の件について報告していませんでしたのでまとめて報告します。

    宮城県議会は,震災後行っていなかった海外視察を,昨年度復活させました。

    そして,自由民主党県民会議の議員7名が議会から派遣され,平成26年5月5日~5月9日,ベトナム海外視察が実施されました。また,後述しますが上記視察に政務活動費を使って自由民主党県民会議の菊地恵一議員が同行していました。

     

    平成26年11月28日,宮城県議会のベトナム海外視察について監査請求

    (内容)

    ①派遣議員らなどに支出した海外視察費用(3,448,664円)の返還などを求める

    ②議会から派遣されていないにもかかわらず視察に同行した菊地恵一議員が政務活動費から支出した費用の返還などを求める

    海外視察(ベトナム)監査請.pdf

     

    平成27年1月26日監査結果通知があり,請求棄却されました。

    請求書+通知書案(最終版).pdf 

    平成27年2月24日訴訟提起(事件番号:仙台地方裁判所平成27年(行ウ)第6号(第2民事部))。

    【第1回期日】 5月13日午後2時~

    ベトナム・訴状.pdf

    【提訴の内容について】

    当初,議会派遣による海外視察による支出そのものを争う予定でした。

    しかし,先のニュージーランド海外視察と比較するとベトナム海外視察は案外まともに視察をしていました。(というよりも,ニュージーランドの内容がひどすぎる,といったほうがいいかもしれません。)

    一方,ベトナム海外視察については,監査請求の結果,議会が派遣した議員以外の議員が,政務活動費を使って,全く同じ行程で参加していた,という事実が浮かび上がりました。

    議会が,政務活動費と別途,議会独自の予算を使って議員を派遣している中,全く同じ目的,全く同じ行程で政務活動費を使って参加する(「同行視察」)のは,無駄以外の何者でもありません。

    そこで,仙台市民オンブズマンでは,ベトナム海外視察については本訴訟では,「同行視察」の是非を問う,ために提訴をした次第です。

    畠山裕太

     

     

     

    【勝訴】平成20年度市政務調査費判決

    2014年11月27日,仙台地方裁判所第3民事部(市川多美子裁判長)
    は,仙台市長に対して,計2126万円の返還を請求するよう命じました。

      判決全文はこちら→http://www.ombudsman.jp/data/141127sendai.pdf

    仙台市民オンブズマンは,2889万円の違法支出を指摘していましたが,
    その74%に当たる額が違法であったと認められました。

      詳細はこちら→H20度市政務調査費判決金額141127.pdf

    この判決は,総論部分については市民感覚を踏まえた画期的判断であ
    り,評価できます。ただ,個々の各論判断については残念な部分もあり
    ます。

      詳細はこちら→H20度市政務調査費判決コメント141127.pdf

    認容率が74%にも及んだのは,人件費,事務所費,事務費等をきちん
    と按分(2分の1のみを政務調査費から支出すべき)処理をしていない
    からです。議員の活動は,政治活動,議員本来の活動,政務調査活動
    の性質が合わさったものがあります。そのような活動にかかる経費は
    きちんと按分すべきであり,全額を政務調査費から支出することは許さ
    れません。

    敗訴した仙台市議会の各会派は,判決の指摘を厳粛に受け止め,そ
    の判断に従い(もちろん控訴などせず),支出の仕方を直ちに改める
    べきです。

    また,裁判所は,各会派に対して「客観的資料に基づく立証」を求めました。
    訴訟での立証は最低限やるべきことで,もっと積極的に説明義務を果たす
    べきです。使い方に一点の曇りもないならば,自ら進んでホームページ等
    で収支明細書や領収書を公開すべきです(函館市議会は実施済み)

    仙台市議会,議員,各会派の対応が注目されます。

                              十 河  弘

    ニュージーランド海外視察・訴訟提起しました

    平成26年3月25日から同年3月31日にかけて、宮城県議会所属の議員によりニュージーランドへの海外視察が実施され、視察費用として合計360万円の公金が支出されました。

    本件海外視察について、当オンブズマンは、平成26年8月20日付けで、監査請求を行いました。
    → ブログ記事はこちら
    監査請求に対し、同年10月16日付けで、監査請求を棄却する旨の判断がなされました。
    同監査結果については、残念ながら十分なものとは思われなかったことから、当オンブズマンは、本日付で、仙台地方裁判所に対し、本件海外視察に係る視察費用の返還を求める訴訟を提起致しました
    提訴にあたってのコメントは、以下をご参照ください。
    今回の訴訟をきっかけに、多額の公費を支出して実施される海外視察について、県民のみなさまと一緒に考えていければと思っております。
    (宮腰 英洋)

    玉串料や初穂料が政務調査費から支出されている!?

     平成24年度宮城県議会議員の政務調査費に関する資料を調査したところ,信じがたい支出が明らかとなりました。自由民主党・県民会議のある議員が,玉串料や初穂料等の名目で支払ったものの一部を,政務調査費から支出していたのです。しかも,その回数は,平成24年4月から平成25年3月までの1年間で,少なくとも合計12回(政務調査費からの支出額は合計6万円)にも及びます。
     玉串料,初穂料は,いずれも,神社で執り行う祈祷,神葬祭等で,神様にお供えし,感謝の気持ちを表すために支払う金品とされています。我々市民の一般的な感覚からすれば,神社で納める玉串料や初穂料を,政務調査費として支出することは許されないはずです。
     仙台市民オンブズマンとしては,今後,監査請求や訴訟を通じて,同議員の支出が適法な支出と言えるのか,明らかにしていきたいと考えております。

    ニュージーランド海外視察について訴訟提起の予定です。

    仙台市民オンブズマンは,宮城県議会のニュージーランド海外視察について,県議会が支出した費用の返還などを求める監査請求をしていましたが,先日請求が棄却されました。

    10月のオンブズマン例会で,この件について住民訴訟を提起することを決定しました。

    詳しいコメントは訴訟提起の際にする予定です。しかしそれに先立ち,県民の皆様に今回視察にいった議員らが議会に対して何を報告したのか見てもらいたいと思い,宮城県議会の決定によりニュージーランドに派遣された議員の「海外視察報告書」をアップさせていただくことにしました。

    よろしければご覧下さい。

    一見長いファイルですが,14枚目以降は事前研修の資料ですので,実質は12枚程度です。

    ニュージーランド報告書.pdf

    これが,宮城県が360万円出して得たものです。

                                畠山裕太

     

    【宮城県議会】平成24年度政務調査費公開資料を閲覧して

     以下の内容は,3名の議員について,それぞれの平成24年度の政務調査費関係資料を閲覧した感想や,適法性がやや疑わしい支出,その必要性・相当性について説明を要すると思われる支出を挙げたものです。
     
     なお,以下の3名が,政務調査費の使用が特に悪質だという趣旨ではまったくありません。私が見た限りでは,3名の方々は,宮城県議の中では,平均的な使い方をしていらっしゃると思います。
    ●自由民主党・県民会議某議員
     ・松島と仙台に2つの事務所があり,頻繁に仙台―松島を行き来する費用を多額計上,利府行きの支出も多数
     ・調査先が頻繁に「相手方宅」とだけ記載されており,調査研究の実質が疑わしい
     ・「観光振興」を目的とする調査研究旅行を何度も行う
     ・飲食店,ホテルでの県政報告会の会場代を100%計上
     ・寺社関係団体総会会費 100%計上
     ・隊友会 年会費 100%計上
     ・代行代は必ず100%計上(結構頻繁 飲み会の帰りと疑われる)
     ・神道政治連盟 年会費 100%計上
     ・調査研究費としてスポーツクラブ会費,新年会費を2/3計上
    ●改革みやぎ某議員
     ・毎日のように気仙沼~南三陸~登米を回り,1日100㎞超の移動も珍しくない。移動距離に応じた費用を計上
     ・仙台や東京への出張も多く(仙台は平均月2,3回くらいか),特に仙台は泊まりで行くケースもあるのでかなりの額が計上される。
     ・県政報告で80万円超の支出
     ・ノルウェー調査研究旅行(水産関係視察)で34万円計上も必要性は不明
     ・旅情報誌の代金を資料購入費として計上
    ●改革みやぎ某議員
     ・毎月東京方面へ出張して必ず1泊以上し,5万円以上の調査旅費を請求
     ・必要性不明の様々な団体年会費を計上
     ・某人のファンクラブ会費を2/3計上
     ・韓国へ3泊4日の調査旅行旅費を計上 調査内容は「日本と韓国の歴史認識」とあるが県政との関連性が不明
     ・種々の会合の新年会費を2/3計上も必要性に疑問
    報告者 甫守 一樹

    【宮城県議会】平成24年度政務調査費・調査の実態が不明

    自由民主党・県民会議のある議員の支出について報告致します。


    昨日の記事で、政務調査実績報告書の「調査内容」欄が空欄であった議員について報告致しました。


    本記事の議員は、政務調査実績報告書の「調査内容」欄が、全て「意見交換」となっています。

     →政務調査実績報告書(抜粋).pdf

    これでは、政務調査として認められる支出かどうか等を十分審査することができないはずです。

    「調査内容」欄が空欄であることと実質的な差異があるとは思われません。

    特に、この議員は、調査の相手方に「地域住民」「青年会議所」等も多く含まれており、調査内容について具体的な報告がなされなければ、後援会活動や私的活動等との区別が明確になりません。

     参考)政務調査費を充当するのに適さない例.pdf


    しっかりとした審査・チェックがなされるためにも、調査内容の報告は具体的になされるべきです。


    報告者 宮腰英洋

    【宮城県議会】宮城県議会でも政務調査費の不適切使用が明らかに!(平成24年度)

     オンブズマンでは宮城県議会政務調査費(H24年度)使用実態を調査し,その問題点を分析中です。追って,監査請求をする予定ですが,一足先にホームページ上で公開し,市民の皆様に情報提供いたします。
     全国で政務調査費(現在は「政務活動費」)の不適切使用が次々と明らかになっていますが,宮城県議会の使用も褒められたものではありません。順次,問題の大きいと思われるものを指摘しますが,本記事では自由民主党・県民会議についてご紹介します。
    1 仙台近郊の高級旅館での一泊研修
     H25年2月8日から9日まで,仙台近郊の高級旅館での一泊研修をしています。請求書によれば,1泊2食の大人が27名(単価約1万6000円),日帰りが1名(単価8550円),会議料4万2000円,合計48万4500円が支出されています。どうしてわざわざ高級旅館で一泊研修をして,その金額を税金から支出するのでしょうか。
    2 年度末に多額の備品を購入
     平成25年3月(年度末)に,会派として多額の備品を購入し,パソコンやipadを構成員に配付しています。駆け込み購入し,全額を税金から支出することはいかがなものでしょうか。
     3月28日 Apple ipad 16台        92万2800円
     3月19日 書庫,テーブル,椅子等      58万4850円
     3月14日 ノートPC等18セット            264万4431円
     3月19日 PC,プリンタ(控室用)各1台   77万8050円
     3月19日 コピー機1台               79万8000円
    報告者 十河 弘

    【宮城県議会】平成24年度政務調査費 ちゃんと審査してから交付しているのか

    自由民主党・県民会議のある議員です。

     

    宮城県議会では,会派における政務調査費交付にあたり,会派の経理担当者及び幹事長が審査基準に基づき審査を行った上で交付をすることになっています【手引きの34頁】。

    会派における政務調査費交付事務の流れ.pdf

    そして,政務活動をした場合には,政務調査実績報告書を提出することになっており,これをもとに不適正な支出がないか審査されることになっていました。

    参考)

    政務調査費を充当するのに適さない例.pdf

    しかし,私が調査したこの議員は,政務調査実績報告書に記載すべき「調査内容」の部分が年間通してすべて白紙でした。

    4月最初の何枚かの報告書をアップしておきます。

    調査内容の記載のない報告書.pdf

    「調査内容」の報告がなければ,そもそも支給してダメな場合なのか審査することはできないはずです。にもかかわらず,同党の幹事長,経理責任者はあっさりハンコを押して支給をしています。

    「後払」にしても,ちゃんと審査をしなければ不適正な支出は防げません。そもそも形式不備があるのに修正を求めることなく支給をしてしまうのでは,審査の意味がありません。

     

    この議員について,もう一つ問題を発見しました。

    10月22日~25日の間,この議員は政務調査費を使って函館と東京に行っています。

    しかし,政務調査報告書には,東京での調査報告しかありません(例によって調査内容の記載は無し)

    調査報告のない函館の旅費まで,会派は支給をしてしまっています。

    ちゃんとチェックをしていたのか,はなはだ疑問です。

    移動は函館~東京なのに東京だけの政務調査報告.pdf

      

                                 報告者 畠 山 裕 太

    【宮城県議会】平成24年度政務調査費に関する調査について

    仙台市民オンブズマンです。

     仙台市民オンブズマンでは,これまでも政務調査費に関して調査し場合によっては訴訟によりその支出の違法性を争ってきました。今回,平成24年度の政務調査費(平成24年度は,改正地方自治法施行前ですので「政務活動費」ではなく「政務調査費」です。)。について,謄写してきた膨大な量の資料を現在整理分析しています(なお,当オンブズマンのマンパワーの限界もあり,謄写費用もかかるため,すべてを謄写はできていません(全会派と,4期以上の議員(30名)の記録のみ。謄写費用約11万円。))。

     現在も調査整理中ですが,調べていくと使途等について「これでよいのか」と疑問に思うものがでてきました。「とりあえずHP上で公開して市民の皆様にみてもらってはどうか」ということになり,試みにやってみることになりました。

     今回,予想以上にマスコミに注目され,少し戸惑いもありますが,政務活動費(この年度は「政務調査費」です。)の支出について,市民の方々に見て頂き,われわれの税金がこのような使い方をされることがよいのか,考えていただく機会になればいいと思います。

     なお,仙台市民オンブズマンは,宮城県議会の政務調査費について何度も訴訟をし,平成21年3月,政務調査費に関して制度改革をおこなうことなどを条件に和解しました。これにより,いわゆる「後払」方式という画期的な方法がとられることになりました。(詳しくは,会報の30号(2009年6月15日発行)をご覧下さい。

    http://sendai-ombuds.net/images/ombudsman30-1.pdf

     そして,宮城県では,平成21年4月に政務調査費に関する手引きをつくり,会派の経理責任者及び幹事長がチェックをした上で政務調査費を議員に交付することになっています(上記手引きの34ページ この方法は,現在もほぼ同じです。)。

    宮城県 政務調査費の手引き平成21年4月作成.pdf

     

    上記のチェックが機能しているのか,検証できればいいと思います。

     

                                        事務局長 畠 山 裕 太

     

     

    なお,現在,宮城県議会では政務活動費の年間支給額,支出額についてだけはHP上で公開しています。

    (参考) http://www.pref.miyagi.jp/site/kengikai/seimukatudouhi.html

    しかし,この情報では,政務活動費全体の支出された金額はわかるものの,それが適正なものかどうかまではまったくと言っていいほど分かりません。領収書までHP上で公開するなど,市民が容易に議員の政務活動費支出を監視できる仕組みが切に望まれます。

      

     

    仙台市民オンブズマン

    事務局 仙台市青葉区中央4-3-28朝市ビル4F 宮城地域自治研究所内 TEL 022-227-9900 FAX 022-227-3267